オメガを「資産として見てよいのか」は、結論から言うと“型番次第”です。オメガはロレックスのように全体が一律で強いブランドではありません。ただし、スピードマスター(ムーンウォッチ)やシーマスター ダイバー300Mのような世界的定番は、ここ数年で定価がはっきり上がり、中古相場の基準線も切り上がっています。逆に、派生モデルや条件が外れる個体は、同じオメガでも評価が落ち着きやすい。この差を理解しないと「オメガは資産にならない」という誤解になります。本記事では、相場の基準として使える“代表型番”を固定し、過去→現在の定価推移(円×%)を先に整理したうえで、今売るべきかの判断軸を分かりやすくまとめます。

まず押さえるべき“資産になりやすい代表型番”

 資産性の話をするなら、最低限この型番は押さえてください。スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナルは、ヘサライトのRef.310.30.42.50.01.001、サファイアのRef.310.30.42.50.01.002が基準線です。さらに近年はホワイト文字盤のRef.310.30.42.50.04.001も強い注目を集めています。シーマスター ダイバー300MはRef.210.30.42.20.01.001(ブラック文字盤・SSブレス)が基準線です。ビジネス寄りのアクアテラはRef.220.10.41.21.03.005など、クラシック寄りのコンステレーションはRef.131.10.39.20.02.001など、ここも基準にしやすい型番です。

スピードマスターは“定価の積み上げ”が数字で一番分かりやすい

 ムーンウォッチは、定価推移がそのまま資産性の説明になります。旧型のスピードマスター プロフェッショナルでは、2019年時点でRef.311.30.42.30.01.005が572,400円→605,000円、Ref.311.30.42.30.01.006が669,600円→715,000円と上がっています。その後2021年にモデルチェンジし、新型ムーンウォッチとしてRef.310.30.42.50.01.001が737,000円、Ref.310.30.42.50.01.002が847,000円でローンチされました。ここからが重要で、2022年に880,000円/990,000円、2023年2月に935,000円/1,067,000円、2023年6月にはついに1,001,000円/1,144,000円と、段階的に押し上げられています。例えばRef.310.30.42.50.01.001は、ローンチ737,000円→1,001,000円で+264,000円、約35.8%上昇です。同じくRef.310.30.42.50.01.002は、ローンチ847,000円→1,144,000円で+297,000円、約35.1%上昇です。さらに現在の基準として、Ref.310.30.42.50.01.001は1,123,200円という定価水準でも語られるようになっており、ローンチ737,000円→1,123,200円なら+386,200円、約52.4%上昇です。ホワイト文字盤のRef.310.30.42.50.04.001は定価1,287,000円の水準で、ムーンウォッチの中でも“別帯”として扱われます。

シーマスター ダイバー300Mは“基準線が上がり、相場が崩れにくくなった”

 Ref.210.30.42.20.01.001(ダイバー300M)は、定価が913,000円→946,000円へ改定された例があり、+33,000円で約3.6%の上昇です。こうした細かな積み上げが続くと、中古市場でも「安くなるのを待つ」より「今の帯で成立する」構造が強くなります。ダイバー300Mは世界的に需要が厚く、状態が良く付属品が揃う個体ほど評価が安定しやすい一方、ベゼル傷やブレスの伸びが強いと帯が一段下がります。モデルの強さより、個体条件が査定差に直結しやすいのが特徴です。

アクアテラ/コンステレーションは“定番条件なら安定、外れると落ち着く”

 アクアテラはビジネス需要が厚い一方、仕様が多く相場が割れやすいモデルでもあります。例えばRef.220.10.41.21.03.005の定価は1,056,000円という基準線があり、アクアテラは「文字盤」「ケース径」「ブレス」「年式」で評価が分かれやすいです。コンステレーションも同様で、例えばRef.131.10.39.20.02.001は定価1,056,000円の基準線があります。ここはスピードマスターやダイバー300Mのように“誰が見ても強い一本”というより、条件が揃うと安定する領域です。

査定額を左右するポイント

・型番(Ref.で基準線が決まります)
・付属品(箱・保証書・カード・余りコマ)
・ブレス状態(伸び、打痕、コマ欠品)
・外装状態(ベゼル傷、ケース角の打痕、ガラス欠け)
・オーバーホール歴(整備の有無は印象に直結)
・文字盤仕様(定番色は安定、変化球は帯が割れやすい)

今売るべきか、持つべきかの“現実的な判断”

 オメガで資産性を期待できるのは、「世界的定番の型番で、状態と付属品が揃う個体」です。特にムーンウォッチは定価推移が明確で、ローンチから約35%、条件によっては約50%超の定価上昇が確認できるため、中古相場の基準線も切り上がっています。一方で、派生モデルや状態が進んだ個体は、同じオメガでも評価が落ち着きやすい。売却を迷う場合は、“昔いくらで買ったか”ではなく、“その型番が今いくらの定価帯にいるか”を基準に判断するのが最も後悔が少ないです。

今回の鑑定士コメント

 オメガは「資産にならない」と一括りにされがちですが、実際は型番で別物です。ムーンウォッチ(Ref.310.30.42.50.01.001/01.002)は定価推移が明確で、ローンチから約35%、現在の定価帯で見ると約50%超の上昇が確認できます。ダイバー300M(Ref.210.30.42.20.01.001)も基準線が上がり、相場が崩れにくい構造が強くなっています。オメガは“モデル名”ではなく“型番”で語る。これができると、相場判断の精度が一気に上がります。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているのかを知りたい方は、直近でお取扱いした買取事例も参考になります。モデルごとの評価のされ方や、査定時に重視されたポイントが分かりやすい内容です。

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まとめ

 オメガは資産になるかどうかが“型番次第”で決まります。ムーンウォッチ(Ref.310.30.42.50.01.001/01.002)はローンチから約35%、定価帯によっては約50%超の上昇が見え、中古相場の基準線も上がっています。ダイバー300M(Ref.210.30.42.20.01.001)も基準線が切り上がり、条件が揃えば相場が安定しやすい。売却判断は、型番・状態・付属品を整理し、今の定価帯を基準に成立帯で考えることが最も確実です。ブランドレックス 鑑定士 千藤