「金の価格は、どこまで上がり続けるのか」

 

この答えは、誰にもわかりません2019年1月~2月の価格を見ると、金(ゴールド)は、少しずつ上昇を続けているのではないでしょうか。

 

株式の上昇などによる下落も考えられますが、当分は横ばいと上昇を続けると思われます。

 

ここでは、2020年の金と貴金属価格の詳細と動向をお伝えします。あくまでも予想のため、確実に金の価格が上がる・下がるワケではありません。

 

金の価格が動く要因

金の価格変動には、いくつかの要因によって価格が上下しています。ここでは、金の価格が動く3つの原因について紹介しましょう。

 

不況になると金の価格が上がる?

世界の経済が不況になると、金の価格が上がると言われています。なぜなら、株式や債券といった金融資産は、バブル崩壊(1991年)やリーマンショック(2008年)といった不況時にも価値が下がらないためです。

 

日本は、バブル崩壊による貸付先(企業など)の倒産で、銀行には大量の不良債権(回収できない借金)が残って、山一証券(1998年)や北海道拓殖銀行(1998年)の破たんなど不況を突き進んでいたのです。

 

そんな「失われた10年」と言われた時代でも、金は「実物資産」として価値が下がることはありませんでした。

 

1997年と1998年の金価格を比較すると、以下のような高値・最安を記録しています。

 

【1997年~1998年の金価格(小売価格)】

 

価格 1997年 1998年
安値 1,202円 1,118円
高値 1,467円 1,395円

 

最安値:84円の下げ、最高値:72円の下げにとどまっています。上昇はしていないが、若干の下落で留まっていると言えるでしょう。

 

不況でも金の価格は下がっていないため、価値も落ちていないのです。しかし、不況=金の価格が上がるワケではありません。ドル高やインフレなどさまざまな要因があって金の価格は上昇するのです。

 

円安になると、金の価格が上がる

みなさんは「円安になると、金の価格は上がる」と聞いたことはありませんか?不況にならなくても、円安時は金の価格(小売価格)は上がりました。

 

以下の表は、円安になった時期と金の価格をまとめたものです。

 

【円安で金の価格が上昇した年】

 

年月日 為替 高値
2009年12月 1ドル約90円 3,475円

(2009円の最高値)

2010年12月 1ドル約84円 3,807円

(2010年の最高値)

2011年8月 1ドル約78円 4,745円

(2011年の最高値)

2012年11月 1ドル約81円 4,677円

(2012年の最高値)

2013年4月 1ドル約98円 5,084円

(2013年の最高値)

 

1ドル100円以下の円安時に、金価格の高値(年間)を記録したのが5回もあります。そのため、円安になると金の価格は上がりやすいでしょう。

 

しかし、2011年8月より円安(1ドル約77円)の最高値(2011年10月)は、4,385円となりました。

 

2011年8月と比べると、約500円も金の価格が落ちているのです。そのため、円安=金の価格が上がるとは言い切れません。

 

株価の上昇で金の価格がダウン

金の価格は、不況になると上がりやすいです。しかし、景気が上向いてくると金の価格は下がりやすくなるでしょう。

 

ここでは、過去5年の日経平均価格と金の価格の関係を解説します。

【日経平均価格と金相場の関係】

 

日時 日経平均株価の最高値

(年間)

 金の価格

(月の最高値)

年間の最高値
2014年12月 17,590円 4,745円 4,745円

(2014年12月)

2015年6月 20,569円 4,803円 4,985円

(2015年1月)

2016年12月 18,513円 4,353円 4,655円

(2016年5月)

2017年12月 22,819円 4,704円 4,751円
(2017年9月)
2018年11月 24,245円 4,535円 4,827円
(2018年1月)

 

金の価格が最高値になったのは、2014年12月の1回だけです。それ以外の2015年~2018年の日経平均株価が高い月は、金の価格が上がりませんでした。

 

株価が上がると、金の価格がダウンするのは間違っていないでしょう。しかし、最高値を記録した年もあるため、確実に下がるとは言い切れません。

 

また、NYダウとドル建ての金価格も、ダウが15.698ドルまで上昇した2014年1月も1,243ドルと2013年1月の1,671ドルから約26%も価格が落ちています。

 

金とその他貴金属の詳細

「2018年の金は、4,000円後半だったが2019年はどうなる?」

「基金属である金の価格は上がるのか?」

 

金と貴金属の価格や動向を紹介します。

 

2019年の金価格は?

2018年の金価格は、1月に4,827円と上昇。その後は、2月~6月頃まで4,600円~4,700円と横ばいをキープ。

 

その後、9月には2009年以来の低水準となり、4,413円と年間の最安値を記録しています。しかし、10月に4,492円。11月4,535円。2月4,577円と価格が回復して幕を閉じました。

 

それでは、今年の金価格はどのような動向になるのでしょうか。ここでは、2019年の金価格について紹介します。

 

国内の小売価格は上昇傾向

2019年3月20日までの金価格は、上昇傾向を続けています。以下の表は、2019年1月~3月(3月20日まで)の最高値をまとめたものです。

 

【2019年の月別価格(金)】

 

年数 為替 高値
2019年1月 1ドル約109円前半 4,646円
2019年2月 1ドル約111円前半 4,793円

(2月21日)

2019年3月(3月20日まで) 1ドル約111円後半 5,114円

(3月1日)

 

1月が1gあたり4,646円でしたが、3月1日には5,114円と5,000円を突破。そのため、2017年12月頃の価格まで戻っています。現在の価格から、2018年7月頃の4,400円台まで下落するかもしれません。

 

2019年3月現在は、金の価格と買取相場は上がり続けています。

 

ドル建ての金も上昇?

ドル建ての価格も上昇しています。2018年12月には、1,279ドルの金価格が2019年1月には1,323ドル(1月の最高値)まで値上がりをしました。

 

さらに、2019年2月には1,343ドル(2月の最高値)を記録。米中貿易協議で中国側の要望(人民元の安定化)もあって、ドルが売られたのが要因とされています。日本の金価格(小売価格)とともに、じわじわと上昇しているのです。

 

アメリカのFRB(連邦準備制度)による利上げも進まず、株式などに資金が流れないため金の価格が下落するリスクは少ないでしょう。

 

まとめ

2019年の金価格は、1gあたり5,000円台を超えたため上昇と考えられます。イギリスの離脱問題(ブレグジット)や米中貿易問題といった、株式から金に資金が流れる可能性もあるため、値下がりは考えにくいです。

 

しかし、2019年4月以降の価格推移は、誰も予想を当てることはできません。株式や債券のように紙切れになるリスクはないため、いつまでも価値が消えない資産として

持ち続けてみてはいかがでしょうか。

 

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