メゾン・マルジェラとはどのようなブランドなのか?歴史と特徴を紹介します。

世界中のファッショニスタから愛されている「メゾン・マルジェラ」ですが、聞き馴染みのない方もいらっしゃると思います。

また、ブランド名は聞いたことがあっても、どのような特徴やアイテムを展開しているかはよく知らないという方に、今回は「メゾン・マルジェラ」の歴史と特徴を紹介させて頂きます。

メゾン・マルジェラの歴史

まだ歴史の浅い「メゾン・マルジェラ」の歴史を紹介していきます。

「メゾン・マルジェラ」は1988年にフランス パリで創業したラグジュアリーブランドです。

ここでは、創業者である「マルタン・マルジェラ」の生い立ちからブランドの創業〜現在までを紹介していきます。

 

マルタン・マルジェラの生い立ち

1959年 ベルギーのルーヴェンで、ポーランド人の父親とベルギー人の母親のもとに生まれます。

 

1976年〜1979年 アントワープ王立芸術学院でファッション科を専攻し、ファッションについて学びました。

 

1980年 イタリア ミラノのファッション会社に勤めます。

 

1984年 パリで見た、ジャンポール・ゴルチエのファションショーに感銘を受け、ジャンポール・ゴルチエのアトリエにアシスタントとして就職します。

 

1984年〜1987年 ジャンポール・ゴルチエの元で修行を積んでいきます。

 

1988年 フランス パリで自身の名を冠した「メゾン・マルタン・マルジェラ」を設立します。

ブランドの誕生~マルタン・マルジェラの引退

1988年 ブランド設立の同年、パリ・プレタポルテ・コレクションでデビューします。

 

1989年 第1回アンダム・ファッション アワード(フランス国立モード芸術開発協会主催)で最優秀ファッション・デザイナー賞を受賞します。

 

1990年 アンダム賞の賞金で会社をパリのサン=ドニ通りに移転し、“アトリエ・アーティザナル”をオープンします。

 

1994年 ヴィンテージの素材を使った初のシリーズを「レプリカ」と名付けて発表します。

 

1997年 “6”と名付けた新しいベーシックス・ラインを始動させます。

 

1997年〜2003年 エルメスのウィメンズプレタポルテラインのアートディレクターに指名されデザインを手掛けます。

 

1998年 コムデギャルソンとのコラボレーションを発表します。

 

1998年 ライン“10”(メンズ用ウェア)を発表します。

また「メゾン マルタン マルジェラ」の象徴ともいえる有名な白いタグがフランス産業財産庁によって登録されました。

2002年 ディーゼルなどを傘下に持つOTBグループによる出資、製造、店舗開発などの支援を受けて、国際的な店舗拡大が始まりました。

同年 東京の恵比寿、パリ、ブリュッセルに新店舗をオープンします。

 

2005年 アクセサリーライン“11”とシューズライン“22”を発表します。

 

2007年 マルタン・マルジェラがOTBグループからの離脱を表明します。

 

2008年 メゾン・マルタン・マルジェラ生誕20周年を記念するショーで、「マルタン・マルジェラ」がメゾンを引退します。

 

マルタン・マルジェラ引退~現在

2010年 初のフレグランス「Untitled」を発売します。2012年にはフレグランスと同じ香りを持ったキャンドルが登場しました。

 

2012年〜2013年 秋冬シーズンで「H&M」とのコラボレーションを発表します。

2014年 クリエイティブディレクターに「ジョン・ガリアーノ」が就任します。

 

2015年 ブランド名を「メゾン・マルタン・マルジェラ」から「メゾン・マルジェラ」に改名します。

 

メゾン・マルジェラの特徴

メゾン・マルジェラの一番の特徴というと匿名性があげられます。

マルジェラは初めてのコレクションの時、当時では考えられなかった事をします。

それは、モデルに一般人を起用した事、マスクで顔が見えないスタイルに挑戦した事、当時の流行に反したタイトなシルエットに挑戦した事の3つです。

マルジェラはコレクション最後の顔出しもせず、純粋に服だけで挑戦し、デビューを果たしました。

このコレクションは「脱構築」「デストロイ・コレクション」と呼ばれ、後のファッション業界に大きな影響を与えました。

マルジェラがファッション史に名を残す事となったのは、「反モード」です。

それまでのきらびやかなファッションショーやコレクションを否定するかのような破壊的な洋服を生み出しました。

現在では当たり前になっているクラッシュデニムやミリタリーファッションはマルジェラの功績と言っても過言ではありません。

今ではキレイなアイテムにクラッシュ加工でカジュアルさをプラスするのは当たり前になっていますが、これは90年代にマルジェラから始まった「グランジファッション」が元になっています。

 

続いてはマルジェラのロゴにもなっている24の数字が並んだブランドタグです。

タグの4隅を糸で留めただけの簡易的なもので、簡単に取り外す事が出来ます。

またタグにはブランド名の記載がありません。

ブランド名が記載されていないタグが生まれた背景には「ブランドネームではなく、服そのものの価値を感じて欲しい」というマルジェラの想いから生まれました。

メゾン・マルジェラのほとんどのアイテムに使われているこのタグは、カレンダーに見えることから「カレンダータグ」と呼ばれています。

このカレンダータグの〇で囲まれた数字はラインを示しています。

 

それぞれの数字の意味を見ていきましょう。

⓪ – 手仕事により、フォルムをつくり直した女性のための服 

⓪⑩ – 手仕事により、フォルムをつくり直した男性のための服 

①- 女性のためのコレクション(ラベルは無地で白) 

③- フレグランスのコレクション 

④- 女性のためのワードローブ 

⑥- レディースウェアライン 

⑧- アイウェアのコレクション 

⑩ – 男性のためのコレクション 

⑪ – 女性と男性のためのアクセサリーコレクション 

⑫ – ファインジュエリーのコレクション 

⑬ – オブジェと出版物 

⑭ – 男性のためのワードローブ 

㉒ – 女性と男性のためのシューズコレクション 

MM6 – レディースウェア

 

上記画像は⑪なので、女性と男性のためのアクセサリーコレクションという事になります。

 

マルジェラの日本展開

2002年に東京の恵比寿に直営店がオープンしますが、実はマルジェラの海外での初めての直営店なのです。

元々、コムデギャルソンの川久保玲のファッションに影響を受けていたという事で、日本びいきだったようです。

日本では初期の頃から売り上げが多く、現在では日本国内に37店舗もの直営店が展開されています。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

モード界の常識を覆したマルジェラは後のファッション業界に大きな影響を与えました。

マルタン・マルジェラが引退した後も、意志は受け継がれつつ新たな創造性、独創性に満ちたアイテムを生み出してくれそうで楽しみですね。

今回はブランド品鑑定歴13年の田所が「メゾン・マルジェラ」について紹介させて頂きました。

 

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是非、お問合せだけでもして頂ければ幸いです。