2020年の金価格をプロが予想します!
「オリンピックがある2020年までの金価格を知りたい」
「これからの金が上がる・下がる要因を学びたい」
金の投資をはじめた人なら、金の価格変動を気にするのが当たり前でしょう。なぜなら、金相場の動きが、金の買取価格を変えてしまうのです。
しかし、投資に詳しい人でなければ
- 金の価格が下がるパターンがわからない
- 予想なんてできるワケがない
- 日本の景気はオリンピックまで良いと予想する
人が多いけど、金の話は聞かない。
という考えている人もいますよね?
ここからは、これまでの金相場・2020年までの金相場の特徴・金の価格が動く3つのワケを、貴金属ライターが解説します。
具体的な記事の内容は、以下のとおりです。
- 金の価格が上がったタイミング
- インフレや好景気によって、金の価格は上がるのか
といった金の価格が上がるポイントを解説します。
さらっと5分ぐらいで読める内容のため、純金積立や金を売りたい人は参考にしてくださいね。
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金相場のおさらい
2019年3月22の金は、小売価格が5,074円。買取価格が4,989円です。しかし、過去5年間(2014年~2019年)の価格を見ると、小売価格が4,200円台まで落ち込みました。
過去の金相場を振り返ることで、「ここまで下がるだろう」といったチャートを読み解く力も付けられます。
リーマン・ショックでも下げない
アメリカや日本経済をパニックに追い込んだのが「リーマン・ショック」です。リーマンブラザーズ(アメリカの投資銀行)の破たんがキッカケです。
ドル建ての金価格は、以下のような価格の変動がありました。
【リーマン・ショック時とその後のドル建て金価格】
年月日 | 高値 | 安値 | 平均価格 |
2008年9月 | 905ドル | 740ドル | 827ドル |
2008年10月 | 918ドル | 692ドル | 809ドル |
2008年11月 | 822ドル | 713ドル | 759ドル |
2018年12月 | 881ドル | 749ドル | 818ドル |
リーマン・ショック後の2008年10月には、692ドルの安値を付けています。2008年11月は、平均価格が759ドルと800ドルを割れました。
しかし、1年後の2009年12月には、リーマン・ショック前の水準を超えたのです。
【リーマン・ショックから1年後のドル建て金価格】
年月日 | 高値 | 安値 | 平均価格 |
2009年12月 | 1,218ドル | 1,080ドル | 1,134ドル |
リーマン・ショック時のドル建て金価格である827ドル(平均価格)を、307ドルも上回っています。
たった1年で金の価格は、下落どころか上昇トレンドとなりました。翌年の2010年12月には1,392ドル(平均価格)。
2011年9月には、1,923ドル(高値)という過去最高を記録しています。2013年2月までは、1,500~1,600ドル(平均価格)をキープしていました。現在の金価格は、1,300ドル近辺をウロウロとしています。
株価が暴落したリーマン・ショックがあっても、金の価格は大きく下げていないのです。
ドル高になると金の価格が下落
金の価格が最安値を付けたのは、1999年ごろです。当時のドル円は、103円~123円前後の価格を推移していました。
ドル円が120円(平均価格)だった1999年7月には、252円(1999年の最安値)を記録しています。
ドルが高いときは、金の価格が低かったのです。しかし、現在では国債の利回りにも左右されるため、ドル高だけで金が下落するワケではありません。
2020年までの金価格はどうなる
2020年といえば、東京オリンピックが行われます。世界から外国人が訪れるため、インバウンド(日本への旅行者)に向けたホテルの建設ラッシュが起きています。
2019年3月22日に発表された「2019年1月の景気先行指数」からも、96.5%(前回:95.9%)と少なからず景気が上向きと考えられるでしょう。
しかし、金の価格も上がり続けるのかわかりませんよね?
ここでは、2020年までの金の価格が動く要因を紹介します。「●●があれば、上がる・下がる」と書きますが、あくまでも1つの予想だと考えてください。
アメリカの景気が良ければ下がる
アメリカの景気が良くなれば、企業は設備投資や雇用を増やすでしょう。日本でも、1980年代に起きたバブル景気のときは、ボーナスの入った袋が立ったと言われています。
企業の配当も上がりやすくなるため、株式にはお金が流れます。しかし、景気が良いときに金を持ち続けても、金利も付かないため売ってしまう人も増えるのです。
買っていた人の売り注文もあるため、金相場の価格が下がってしまいます。相場と連動している金の買取価格も落ちるでしょう。
金とは、景気が悪いときは主役ですが、良くなると脇役のような存在です。
新興国のニーズが増えると上がる
金の価格を上げるのは、新興国の買いではないでしょうか。新興国とは、インドや中国といった先進国(日本・アメリカ)を除いた国を指します。
新興国では、安定感のない経済を支えるために金を購入します。そのため、新興国が伸びていけば、金へ資金が集まりやすいのです。
アメリカ国債の金利低下で上がる
アメリカ国債の金利が下がると、金の価格は上がります。例えば、アメリカの10年国債は10月1日に金利が3.1%まで上昇。ドル建ての金(平均価格)は、約1,215ドルでした。
しかし、金利が約2.5%まで下落した2019年2月には、約1,320ドル(平均価格)と105ドルと金の価格は上がりましたね。
アメリカ国債の金利が低くなると、金の価格も下がりやすいです。
アメリカがインフレになると下がる
アメリカがインフレになると、金の価格も下がりやすいのです。インフレになると、商品の値段は上がりました。
過去には、ドイツやベネズエラでハイパーインフレ(インフレを超える)となって、物価が数兆倍となって、お金を積み上げる子どもの写真も残されています。
給料が物価に追いつかないインフレでは、金の価格も下がるのです。しかし、物価が給料を超えないインフレなら、金の価格も上がるかもしれません。
赤字額が増えると上がる
政府の赤字が増えると、金の価格は上がりやすいでしょう。あなたもキャンブルで借金のある人から「お金を貸してください」と言われても断りますよね?
なぜなら、借金を作る人はお金にだらしなくて、信じにくいためです。(連帯保証人は除く)
おそらく自己投資や好きなものにお金が使うでしょう。財政赤字がある国の通貨よりも、価値がなくならない金を買う人が増えるのです。
これが、金の価格が上がるシナリオになります。
まとめ
2020年までの金価格が上がるには、物価が所得を超えないインフレ・金利の低下・不景気・ドル安・新興国の需要増が必要です。
しかし、上記のことが2020年までに起きるとは予想できません。景気がよくなって金利も上がるシナリオも考えられます。
金への投資をしたい人は、価格が下がる・上がるパターンを考えて、金だけではなく株式・債権へ分散投資するなどのリスクヘッジが必要です。
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