ロレックスの歴史を完全解説|最初のモデルと昔は安かった理由
ページコンテンツ
- 1 ロレックスの歴史は「高級ブランド化」ではなく「実用時計の発明史」から始まった
- 2 1905年の創業|腕時計はまだ“弱い道具”だった時代に始まった
- 3 1908年「ROLEX」誕生|短く覚えやすい名前が、世界戦略の土台になった
- 4 1910年「高精度」の証明|腕時計が精密機器になった瞬間
- 5 最初のロレックスは何か?|“原点”として語られるのは1926年のオイスター
- 6 1931年「自動巻き」|パーペチュアルが“毎日使える時計”を完成させた
- 7 1945年「デイトジャスト」|日付表示が“生活の時計”を決定づけた
- 8 1950年代「プロフェッショナルモデル」|道具としての地位が人気を固定化した
- 9 昔のロレックスは安かった?|結論は“いまより実用品寄りで、価格の意味が違った”
- 10 なぜ昔は安かったのか?|「素材・製造・ブランド戦略・需要構造」がいまほど重くなかった
- 11 鑑定士の現場感|“昔のロレックス”は安いというより「価値の見え方が違う」
- 12 いまロレックスが高い理由は「人気」だけではない|歴史が作った信頼の上に需要が乗っている
- 13 結局どう考えればいい?「歴史」と「相場」の見方で失敗しない判断軸
ロレックスの歴史は「高級ブランド化」ではなく「実用時計の発明史」から始まった
「ロレックスの歴史」と聞くと、いまのような超高級ブランドとしての物語を想像する方が多いかもしれません。ですが本質は少し違います。ロレックスはもともと、腕時計がまだ“正確ではないもの”と見られていた時代に、腕時計を日常で使える精密機器へ引き上げようとした挑戦から始まりました。つまり、ロレックスの歴史はラグジュアリーの歴史というより、実用時計を成立させるための技術の積み重ねの歴史です。そして、その技術が信頼になり、信頼が世界的な需要を生み、結果として価格や資産価値の話にもつながっていきます。この記事では「一番最初のロレックスは何か」「なぜ昔は安かったと言われるのか」「なぜいま高いのか」を、鑑定士としての現場感も交えながら、じっくり整理していきます。
1905年の創業|腕時計はまだ“弱い道具”だった時代に始まった
ロレックスの起点は1905年。創業者ハンス・ウイルスドルフがロンドンで時計の会社を立ち上げたところから始まります。当時は懐中時計が主流で、腕時計は「便利だけれど精度が低い」「壊れやすい」と見られがちでした。ここで重要なのは、ロレックスが最初から“腕時計の実用化”を狙っていた点です。高級装飾品としての時計ではなく、精度と信頼性をもつ道具として腕時計を普及させる。いまのロレックスの芯にある「実用性」の価値観は、すでにこの時点から始まっています。
1908年「ROLEX」誕生|短く覚えやすい名前が、世界戦略の土台になった
ロレックスは1908年に「ROLEX」という名称を商標として登録したとされます。ここは単なるネーミングの話に見えますが、実はブランドとしての強さに直結する重要な点です。短く、発音しやすく、言語が違っても覚えやすい。さらに文字盤に収まりが良い。時計は小さなプロダクトなので、ブランド名の扱いやすさが“世界で売る”うえで効いてきます。ロレックスが早い段階から国境を越える前提で設計されていたことが、このブランドが世界的に広がった理由のひとつです。
1910年「高精度」の証明|腕時計が精密機器になった瞬間
ロレックスは早い段階で、腕時計の精度を社会的に証明する方向へ動きました。腕時計が“正確な計測機器”として認められれば、日常で使う価値が一気に上がります。いまのロレックス人気は資産価値やステータスに注目が集まりやすい一方で、根底には「精密で信頼できる」という評価がずっとあります。ブランドの強さは、こうした積み上げの上に成立しています。
最初のロレックスは何か?|“原点”として語られるのは1926年のオイスター
「一番最初のロレックスは?」という質問には、答え方が2つあります。ひとつは“ブランド名ROLEXを冠した初期の腕時計”としての最初。もうひとつは“ロレックスらしさの原点”としての最初です。一般に、ロレックスの技術的な原点として語られるのは1926年に登場した防水構造の「オイスター」です。腕時計の弱点は水や埃でした。水に弱い時計は、日常での使用に限界があります。ロレックスはねじ込み式の構造を用い、防水・防塵の考え方を腕時計に持ち込みました。この「ケースが強い」という発想が、のちのプロフェッショナルモデルへと直結していきます。つまり“最初のロレックス”を、いまのロレックスを作った原点という意味で捉えるなら、オイスターが最も象徴的です。
1931年「自動巻き」|パーペチュアルが“毎日使える時計”を完成させた
次に大きいのが1931年の自動巻き機構(パーペチュアル)です。腕時計は毎日身につける道具です。ここで「巻き忘れやすい」「止まる」というストレスがあると、道具としての価値が落ちます。自動巻きは、装着して動くことで動力を得る仕組みです。これにより、時計が“日常に溶け込む”性能を獲得しました。オイスターが外側(ケース)の信頼性を強くしたのだとすれば、パーペチュアルは内側(ムーブメントの運用)を日常向けに最適化した発明と言えます。
1945年「デイトジャスト」|日付表示が“生活の時計”を決定づけた
そして1945年に登場したデイトジャスト。日付が表示され、さらに日付が切り替わるという機能は、腕時計を「生活の道具」に強く寄せました。時計は時間を見るだけのものではなく、日付という生活情報を扱う道具にもなる。この実用性の方向性が、ロレックスの“使える高級時計”という立ち位置をより明確にしていきます。ここまでをまとめると、オイスター(耐環境性能)・パーペチュアル(運用性)・デイトジャスト(生活機能)という流れは、ロレックスの骨格そのものです。
1950年代「プロフェッショナルモデル」|道具としての地位が人気を固定化した
1950年代以降、ロレックスは用途を明確にしたモデル群で“プロの道具”としての地位を固めます。登山、潜水、航空など、過酷な環境や明確な目的に向けた設計思想がモデルに宿り、単なる装飾品ではなく信頼できる道具として選ばれる理由が増えていきました。ここで重要なのは、物語が後付けではないことです。道具としての要請が先にあり、それに合わせて設計が積み上がる。ロレックスが長く支持される理由は、この「目的→設計→信頼」という順番が崩れにくいところにあります。
昔のロレックスは安かった?|結論は“いまより実用品寄りで、価格の意味が違った”
ここからが本題のひとつ、「昔は安かった」という話です。確かに、1970年代〜1980年代頃のロレックスは、現在の感覚でいう“超高級ブランド”というよりも、良質な実用時計として買われていた側面が強い時代がありました。当時の定価感は、いまのように一般層から遠い価格帯というより、頑張れば手が届く「良い道具」の範囲に収まっていた、と表現する方が現実に近いと思います。ただし、ここで注意が必要です。昔の“安い”は、単純に数字だけで比較できません。為替、物価、給与水準、税制、流通構造がまるで違うからです。だから「当時は数万円だった」と断定的に言い切るより、「当時は数ヶ月分の給与で買える実用時計として成立していた」という捉え方のほうが、鑑定士としても誠実です。
なぜ昔は安かったのか?|「素材・製造・ブランド戦略・需要構造」がいまほど重くなかった
ブランドの立ち位置が“精密機器寄り”だった
昔のロレックスは、いまのように“富と成功の象徴”として語られるよりも、壊れにくく精度が高い道具として評価される側面が強い時代がありました。つまり、価格の構成要素が「技術の対価」に寄りやすかった。ラグジュアリーとしての上乗せが相対的に小さかった、と考えると分かりやすいです。
素材や作りが進化し、コストそのものが上がった
昔の個体と現代の個体を比べると、作りの密度が違います。風防、ベゼル、ブレスレットの構造、クラスプの作り込みなど、触ると分かる差があります。現代モデルは“道具としての安心感”を保ちながら、装着感や質感まで高水準で整えています。これは製造コストを押し上げる要因になります。
世界的な需要過多が起き、定価と実勢が乖離しやすくなった
近年の特徴は、定価という“入口”だけで語れないことです。欲しい人が世界中にいて、しかも人気モデルは供給が追いつきにくい。その結果として、中古市場の実勢が定価を上回る状況が生まれやすくなります。ここでロレックスは、単なるブランド品ではなく「流動性の高い資産」のように扱われる局面が増えました。
なお、同ブランド全体のリセール傾向や、どのモデルが評価されやすいかについては、別記事で詳しくまとめています。
→ リセール率ランキングはこちら
鑑定士の現場感|“昔のロレックス”は安いというより「価値の見え方が違う」
ここは鑑定士としての一次体験を入れます。私が現場で強く感じるのは、昔の個体は「安かったから価値が低い」のではなく、価値の見え方が現代と違うという点です。例えば、古いサブマリーナ系の個体を持ち込まれる方の中には、「昔のだから大したことないですよね」と言われる方がいらっしゃいます。しかし実際の査定では、状態や仕様によって評価が大きく分かれます。現場で多いのは、ベゼルや文字盤、針のコンディション、ケースの痩せ、ブレスの伸び、当時の付属品の有無などが“価格の理由”としてそのまま反映されるケースです。私は過去に、見た目は年季が入っているのに、部品の整合性と状態が非常に良く、想像以上の評価につながった個体を何度も見ています。逆に「綺麗に見える」だけで評価が伸びない個体もあります。この差が出る時点で、昔のロレックスは単純に“安い時計だった”では片付けられません。むしろ、現代とは違う評価軸で価値が立ち上がる世界がある、というのが現場の実感です。
いまロレックスが高い理由は「人気」だけではない|歴史が作った信頼の上に需要が乗っている
ロレックスがいま高いのは、単なるブームで吊り上がったからではありません。1900年代初頭から続く「腕時計を実用品として完成させる」という思想が、オイスター、パーペチュアル、デイトジャストを経て積み上がり、プロフェッショナルモデルで道具としての地位を固め、そこに世界的なブランド戦略と需要構造が重なって現在の相場が形成されています。つまり“歴史が作った信頼”が先にあり、そこに“現代の需要”が乗っている。この順番があるから、短期の流行だけで終わりにくいのがロレックスの強さです。
結局どう考えればいい?「歴史」と「相場」の見方で失敗しない判断軸
ロレックスの歴史を知る意味は、教養としてだけではありません。買う・持つ・売るの判断にも効いてきます。まず、ロレックスは“実用時計の発明史”の上に立っているブランドなので、長く使う前提で選びやすい。一方で、相場だけで判断すると失敗しやすい局面もあります。例えば「昔は安かった」という話に引っ張られて、いまの価格が不合理に見えてしまうと、判断が極端になりがちです。大事なのは、価格が上がった背景が「戦略」「素材と作り」「需要構造」という複数要因で説明できることを理解し、自分の目的に合わせて判断することです。売却を考えるなら、モデル・年式・状態・付属品で評価が変わるため、数字だけで結論を急がない。購入を考えるなら、“なぜそのモデルがロレックスの歴史の中で評価されるのか”を意識すると後悔が減ります。ロレックスの価値は、単なる価格の高さではなく「信頼が積み上がった結果としての強さ」にあります。その前提に立つと、いま高いことにも納得しやすくなり、売るべきか持つべきかの判断も落ち着いてできるようになります。ブランドレックス 鑑定士 千藤
相談料・査定料が無料!
はじめての方でもお気軽にご連絡ください!
お電話でお問い合わせ
03-6361-1433

