エナメル素材は様々なブランドのバッグや財布に使用されている素材です。

ルイヴィトンのヴェルニラインやシャネルのエナメルバッグなどが有名ですね。

 

エナメルは光沢があって高級感ある印象ですが、様々な素材の中でも特に劣化しやすいという特徴があります。

またエナメルは製造された瞬間から劣化し始めるといわれるほどですので、日々のメンテナンスが重要になってきます。

 

ルイヴィトン ヴェルニライン アルマBB

シャネル エナメル マトラッセチェーンショルダー

 

 

 

 

今回はエナメル素材のトラブルと対処方法をお伝えさせて頂きます。

 

私、ブランド鑑定歴20年の千藤です。

 

バッグや財布は状態が査定のほとんどを決めると言っていいほど状態が重要視される為、

少しでも状態が良いまま買取査定に出す事をおススメします。

バッグや財布は使っていなくても経年劣化する物があり、マイナス査定されてしまう事もあります。

 

どのような経年劣化やトラブルがあるのかを知っていると、予防をすることが出来ますので、是非ご参考にして頂ければと思います。

 

エナメルとは

バッグや財布に使用されているエナメル素材とは、樹脂を溶剤に溶かした塗料であるニスと顔料を混ぜたもので加工されたものをエナメルといいます。

また、レザーにエナメル加工を施したものをエナメル革といいます。

布地やレザー・ビニールなどの表面にエナメル加工を施すことが多く、靴やバッグ・ベルト・財布等の小物などに使われています。

ルイヴィトンやシャネルで使われているエナメルはレザーにエナメル加工を施したものです。

 

エナメルの特徴

エナメルはツルッとした光沢感が特徴で、高級感のある見た目と頻繁にお手入れをしなくてもキレイな見た目を維持できるという点があります。

また、エナメル素材は水気に強く、雨シミなどが起きにくいのも特徴の一つです。

バッグや財布は常日頃使用する物ですので、指紋や皮脂汚れがつきますが、エナメルであれば軽く拭けば綺麗な状態になるため、高級感のある見た目を保つことができます。

 

エナメルのトラブルと対処方法

エナメルはお手入れをあまりしなくてもキレイな見た目を維持できる反面、一度トラブルが起きてしまうと取り返しのつかない状態になる事があります。

一つづつ見ていきます。

べた付き

エナメル製品を使わずに保管していて、久々に出してみると表面がべたべたしているという経験がある方も多いと思います。

べた付きの原因は生地表面に加工されている樹脂が熱や湿気が原因で溶けてしまっているからです。

べた付きは基本的に一度起きてしまうと元に戻す事は出来ませんが、エナメル専用のクリーナーなどを使う事である程度はべた付きを取り除く事が出来ます。

べた付きがひどい場合はクリーナーを使用しても取り除けないこともあります。

エナメル専用のクリーナーは「コロニル ラックムース」がおススメです。

 

べた付きは主に使用せず保管している時に起きます。

べた付きを防ぐ保管方法は高温多湿になる場所を避け、風通しの良い光の当たらない場所が良いでしょう。

また保管時に除湿剤などと一緒に入れるのは避けて下さい。

乾燥しすぎると逆にヒビの原因になってしまいます。

 

エナメルのべた付きは程度によって変わりますが、ルイヴィトンのバッグもシャネルのバッグも2割以上マイナスになる事があります。

 

ヒビ割れや破れ

ヒビ割れはべたつきとは反対で乾燥したことで起きる現象です。

細かな微々割れであれば、マニキュアのトップコートや同色のエナメル専用マニキュアを使う事で目立たなくする事が出来ますが、完全に修復する事は出来ません。

また大きいひび割れや破れは修復できないので、日々のメンテナンスや保管方法に気を付けましょう。

 

ヒビ割れや破れがあった場合、

ルイヴィトンのバッグで2万円以上、シャネルのバッグで4万円以上マイナスになる事があります。

 

汚れや指紋が付いた場合

エナメル素材のバッグや財布を使用していると指紋が付いたり埃等が付いてしまいます。

特に暗めの色であれば指紋や埃は目立ってしまいます。

この指紋や埃は付いたまま長時間放置していると取れなくなる事があります。

取れなくなる原因ですが、指紋の場合は油分が含まれており徐々にエナメルの内側に浸透してしまいます。

また埃を長時間放置して表面がべた付いてしまった場合、埃が中に入り込んでしまいます。

指紋や埃が付いたときはこまめに乾いた布で軽くふき取るのが良いでしょう。

軽く拭いても取れない場合は強くこする事はせずに、エナメル専用クリーナーを使うと良いでしょう。

 

色移りや転写

エナメル素材に起きやすいトラブルの一つで色移りと転写があります。

これは主に保管時に起きることで、保管時にエナメルのアイテムの接触している状態で物を置いていると、その物の色が移ってしまう事があります。

転写ですが、レシートやチラシなどと接触している状態で長時間放置していると、レシートのインクやチラシの色がエナメル生地の中に入り込んでしまい取れなくなります。

 

一度色移りや転写が起きてしまうと元に戻す事が出来ないので、保管は購入の際に付いている保存袋に入れて保管すると良いでしょう。

 

色移りや転写があった場合

ルイヴィトンのバッグでは1万円以上、シャネルもバッグでは3万円以上のマイナスになる事があります。

 

日焼けによる変色

最後に日焼けによる変色です。

エナメル素材だけでなく、ほとんどの素材に起こりえる現象ですが、太陽の光や蛍光灯の光によって生地が日焼けし変色してしまいます。

日焼けは使用していても起きますが、使わずに保管していても起きてしまいます。

使用中に日焼けしてしまうのは仕方がないですが、保管時に日焼けしてしまうのは保管方法である程度防ぐことが出来ますので、保管時は光の当たらない場所か保存袋に入れて光が当たらないようにしましょう。

 

日焼けによる変色も一度起きてしまうと、元に戻せませんので、少しでも日焼けを防ぐようにしてください。

 

ルイヴィトン ヴェルニの日焼けではモデルによってですが、1万円以上マイナスになる事があります。

シャネルのバッグでは3万円以上のマイナスになります。

 

補足

エナメル素材は水気に強いですが、水に濡れた状態のまま放置していると、水跡が付いて落としにくくなることがあります。

※またエナメル素材に防水スプレーは絶対に使用しないでください。

防水スプレーの成分でエナメル表面の光沢がなくなり、ツヤの無い状態になってしまいます。

 

まとめ

以上、エナメルに起こるトラブルと対処方法をお伝えさせて頂きました。

この記事を読んで少しでも状態の良いままエナメル製品をお使いいただけたらと思います。

また買取査定では状態が良いほど高価買取する事が出来ますので、参考にしていただければと思います。