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ロレックスは日本だけ人気?結論は「世界的人気」ですが、日本は“熱が見えやすい市場”です

「ロレックスは日本だけで人気なんですか?」というご質問は、査定の現場でも本当によくいただきます。結論から申し上げると、ロレックスは日本だけの人気ではなく、欧米・アジア・中東を含めて世界中で需要が強いブランドです。ただ一方で、日本は“人気が突出して見える条件”が揃っているため、「日本だけ異常に人気」という印象が生まれやすいのも事実です。この記事では、海外市場と日本市場で「価値の感じ方」「相場の動き」「評価されるポイント」がどのように違うのかを、鑑定士目線で整理し、最後に「結局どうすれば良いか(売る・持つ・様子見)」の判断軸まで落とし込みます。

ロレックスが世界中で強い理由は「資産性」と「実用品質」が同時に成立しているからです

ロレックスが世界中で評価され続ける理由は、投機的な人気だけでは説明できません。耐久性・防水性・メンテナンス前提の設計など、日常使いできる実用品質が土台にあり、そのうえで需要が落ちにくい「資産性」が積み上がっています。特にスポーツモデルは世界共通で需要が強く、相場が崩れにくい傾向があります。実際の査定では、国内だけの成約状況で値付けを決めることは少なく、海外バイヤーの引き合い(どのモデルが、どの状態で、どの価格帯なら動くか)も含めて相場観を組み立てます。つまりロレックスの価値は、日本ローカルではなくグローバルに連動しているという前提が重要です。

なぜ「日本だけ人気」に見えるのか:人気の正体は“市場構造”にあります

1)中古・並行市場が成熟していて、相場が可視化されやすい

日本は中古・並行市場の情報がオープンで、一般の方も相場を体感しやすい市場です。価格が見えると、人は比較し、判断し、売買が活発になります。現場で多いのは「相場を見て、今売るか・持つかを決めたい」というご相談で、こうした行動がさらに市場を動かします。海外でもロレックスの二次流通は大きいのですが、国によっては情報が分散し、一般層が相場を日常的に追いにくい地域もあります。日本は“相場が見える”こと自体が人気の熱量を押し上げている面があります。

2)日本個体は状態・付属品の揃いが良く、海外から「買い付け先」として評価されやすい

日本のオーナー様は丁寧に使われる方が多く、箱・保証書・コマ・冊子などが揃っているケースが目立ちます。こうした個体は海外でも評価されやすく、「日本の在庫は状態が読みやすい」という見方が一定あります。ここが大切で、日本の相場の底堅さは国内需要だけでなく「海外需要が日本に流れ込む」ことでも支えられる局面があります。結果として、日本は“人気が高い”というより“市場として強い”状態になりやすいのです。

3)正規店での入手難易度が高く、希少性が体感として増幅される

日本では正規店で人気モデルを買う体験が難しくなりがちで、「買えない」こと自体が希少性を強めます。買えないから並行へ、並行が動くから相場が話題に、話題になるからさらに需要が刺激される。こうした循環が起きやすいのが日本の特徴です。海外でも入手難はありますが、地域によっては日本ほど極端ではない場合もあり、その差が「日本だけ人気」という印象につながります。

海外市場と日本市場で「価値」が違って見えるポイント

ポイント1:人気の中心が違う(日本はスポーツ偏重、海外は金無垢・ドレスも一定の需要)

日本はスポーツモデル(デイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIなど)の熱量が特に強く、相場の話題もこの領域に集中しやすい傾向があります。一方、海外は地域によって金無垢やドレスモデルの需要が安定していることがあり、「スポーツ一強」になりにくい面があります。したがって、同じロレックスでも“どのモデルが高く評価されやすいか”が市場によってズレ、価値が違って見えることがあります。

ポイント2:為替・税・手数料で「支払総額」が変わり、相場の温度感がズレる

ロレックスの定価自体は世界で大きく変わらないように見えますが、実際に払う金額は為替、税、免税、手数料で変わります。円安局面では日本の価格が海外から割安に見え、海外バイヤーの買い付けが増えやすくなります。逆に円高では日本の優位性が薄れ、海外相場の影響が強く出ることもあります。ここは「価値が違う」というより、「市場の資金の入り方が変わる」ことで相場が違って見えるポイントです。

ポイント3:状態評価の厳しさが違う(日本は細部まで価格に反映されやすい)

日本は状態評価がシビアで、小傷・ブレスの伸び・研磨歴などが価格差に直結しやすい市場です。ここで鑑定士としての一次体験を一つお話しします。以前、外装が綺麗に見える個体を「良コンディション」と先に思い込んでしまい、よく見ると過去の研磨でケースエッジが丸くなっていたことがありました。艶は出ていても、立ちが甘いと評価が変わる。以降、私は見た目の綺麗さより先に、光の当て方を変えながら「角の立ち」と「面の反射」を必ず確認するようにしています。こうした“評価の感度”の差が、日本と海外で価格差として現れることがあります。

結局どうすれば良いか:売る・持つ・様子見の判断軸

売る:需要が強く、相場が高水準の波に乗っているとき

「今が高い」と感じるときに大切なのは、話題性ではなく“需要がどこから来ているか”です。海外需要が強く入っている局面は、輸出前提の価格が上がりやすく、国内で売っても結果的に高水準になりやすいことがあります。実際の査定では、同じモデルでも「付属品完備」「未研磨に近い」「ブレスの伸びが少ない」など条件が揃うと、相場の波が来た瞬間に伸びやすい傾向があります。もし今の相場が高水準で、かつ使用予定が薄いなら、売却は合理的な選択になり得ます。

持つ:気に入って使う予定があり、状態を維持できるとき

ロレックスは“使いながら価値が残りやすい”ことが強みです。持つ判断で重要なのは、使い方と保管です。付属品は捨てずにまとめて保管し、過度な研磨を避け、必要に応じて適切なメンテナンスを行う。これだけで将来の査定の納得感が変わります。「資産として持つ」なら、価値を減らす要因(紛失・過研磨・不明な修理歴)を避けることが最優先です。

様子見:為替や市場が揺れていて、売却理由が弱いとき

為替や需要は波があります。売却理由が「なんとなく高そうだから」だけの場合、焦って動くより、相場の方向感を見てから判断する方が納得しやすいケースもあります。特に、使用頻度が低く状態が良い個体は、無理に急がなくても強みが残りやすいことがあります。

なお、同ブランド全体のリセール傾向や、どのモデルが評価されやすいかについては、別記事で詳しくまとめています。
リセール率ランキングはこちら

海外で購入・売却を考える方の注意点(得に見えて損する落とし穴)

免税=必ず得、ではありません

免税で安く見えても、為替手数料、移動コスト、購入先の信頼性、将来売却時の説明コストまで含めて総額で判断する必要があります。保証書の記載が曖昧だったり、購入経路の説明が難しいと、売却時に手間が増えて価格にも影響することがあります。

真贋・保証・修理の手続きは「確実性」が価値になります

海外で正規店以外から購入する場合、真贋リスクはゼロではありません。加えて、言語や商習慣の違いでトラブル時の解決コストが上がりやすい点も注意が必要です。ロレックスは“安心して売買できること”が価値を支えていますので、確実性を犠牲にしてまで短期の安さを取りに行くのはおすすめしにくい場合があります。

鑑定士コメント

ロレックスは世界共通で価値が認められているブランドですが、日本は市場の透明性と個体品質の高さから、資産性が特に実感されやすい国です。売却を検討される場合は「日本だけ人気かどうか」ではなく、為替・需要・個体状態の3点を軸に判断することが、納得のいく結果につながります。現場で多いのは、相場だけ見て動いてしまい「付属品不足や研磨歴」で想定より伸びなかったケースです。強みを揃えた上で、波が来たときに動く。これが一番ぶれません。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているのかを知りたい方は、直近でお取扱いした買取事例も参考になります。モデルごとの評価のされ方や、査定時に重視されたポイントが分かりやすい内容です。
買取速報はこちら

まとめ:日本は「特別な人気」ではなく「特別な市場」。判断は“相場の波×個体の強み”で決める

ロレックスは日本だけでなく世界中で不動の人気を持つブランドです。そのうえで日本は、相場の可視化、個体品質、入手難の体感が重なり、人気が突出して見える市場です。結局どうすれば良いかはシンプルで、「売るなら波が来たときに」「持つなら価値を落とす要因を避けて」「迷うなら相場と為替の方向感が落ち着くまで様子見」。この3つの軸で判断すると、納得感のある選択になりやすいです。

ブランドレックス
鑑定士 千藤