ロレックスの正規店来店予約を取れば人気モデルが買えるのでは、と考える方は非常に多いですが、鑑定現場から見た実態は大きく異なります。結論から言うと、来店予約は「購入予約」ではなく、あくまで「入店する権利」にすぎません。特にデイトナ、GMTマスターII、サブマリーナーといった人気スポーツモデルに関しては、来店当日に購入できる確率は極めて低く、体感値としては数%以下、モデルによっては1%未満と言われる状況が続いています。本記事では、ロレックスの来店予約の仕組み、モデル別の購入確率の考え方、なぜ買えないのか、そして現実的に取るべき行動について、誇張せず事実ベースで整理します。

ロレックス来店予約の仕組みを正しく理解する

来店予約=在庫確保ではない

ロレックスの来店予約は、在庫を確保する制度ではありません。予約時点でモデル名を伝えたとしても、そのモデルが用意されることはなく、当日の在庫状況は完全に別管理です。つまり、予約が取れた=買える可能性が生まれた、というだけであり、購入確率が保証されるものではありません。この点を誤解したまま来店すると、「予約したのに買えない」という不満につながりやすくなります。

抽選制・不定期枠という特殊性

現在のロレックス正規店の来店予約は、先着順ではなく抽選形式が主流です。特定期間に応募し、当選した人のみが指定日時に来店できます。また、店舗ごとに運用が異なり、表参道など一部直営ブティックでは予約制が継続されている一方、他店舗では当日整理券方式に近い形が取られることもあります。この不透明さ自体が、購入難易度をさらに高めています。

モデル別に見る「買える確率」の現実

デイトナが極端に買えない理由

コスモグラフ デイトナは、ロレックスの中でも別格の存在です。世界的な需要に対して供給量が極端に少なく、正規店に入荷しても即日完売が前提となるモデルです。鑑定現場の感覚では、初来店で購入できる確率はほぼゼロに近く、何十回通っても一度も案内されないケースは珍しくありません。購入確率が1%未満と言われるのは誇張ではなく、現実的な体感値に近い数字です。

GMTマスターII・サブマリーナーの位置付け

GMTマスターIIやサブマリーナーも人気モデルではありますが、デイトナと比べると供給は若干多く、長期的に通うことで購入できるケースは存在します。ただし「数回通えば買える」というレベルではなく、年単位での通店を前提に考える必要があります。特に人気カラーや仕様に限定すると、体感的な購入確率は数%程度と見ておくのが現実的です。

比較的案内されやすいモデル

一方で、すべてのロレックスが同じ難易度というわけではありません。デイトジャストや一部のエクスプローラーなどは、タイミング次第で初回購入に至るケースもあります。重要なのは「人気ランキング」ではなく、「その店舗での在庫回転と顧客層」です。つまり、モデルごとの確率は一律ではなく、店舗事情に大きく左右されます。

なぜ正規店でロレックスが買えないのか

供給制限と世界需要のバランス

ロレックスは意図的に供給量を抑え、ブランド価値を維持しています。一方で需要は世界中に分散しており、日本国内の正規店に回ってくる本数は限られています。この構造上、人気モデルが慢性的に不足するのは避けられません。

転売対策としての販売姿勢

正規店では、転売目的と判断される顧客への販売を極力避ける姿勢が取られています。そのため、購入履歴、会話内容、モデル選定の一貫性などが見られることは事実です。希望モデルをころころ変える、相場や価格の話ばかりする、といった行動は不利に働きやすくなります。

購入確率を上げるために現実的にできること

希望モデルを絞る

「何でもいいので買いたい」という姿勢は、正規店ではプラスに働きません。むしろ「なぜそのモデルが欲しいのか」を一貫して伝えられる方が、結果的に案内されやすくなります。モデルを1つ、もしくは近い系統に絞ることが重要です。

通店前提で考える

ロレックスの正規購入は、1回で完結するものではなく、複数回の来店を前提とした行動になります。いわゆる「マラソン」と呼ばれる状態ですが、これが現実です。短期間で結果を求めすぎないことが重要です。

支払い条件の準備

2024年以降、現金購入が不可となり、クレジットカード決済が基本となっています。高額決済が可能なカードを用意しておくことは、実務的な意味でも必須条件です。

正規購入と中古市場の考え方の違い

ここまで来店予約の現実を見てきましたが、「正規で買えなければ意味がない」と考える必要はありません。中古市場では、即時にモデルを選び、価格と状態を比較して購入することができます。正規店での体験価値を重視するのか、確実に欲しいモデルを手に入れるのかで、選択肢は変わります。ブランド品全体の買取相場がどのように形成されているかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。→ ブランド品の買取相場について

鑑定士としての結論

ロレックスの来店予約は、買えるかどうかを保証するものではなく、あくまでスタートラインに立つための制度です。人気モデルほど購入確率は低く、年単位での通店を前提にしなければなりません。正規購入を目指す価値は確かにありますが、時間と労力をどう使うかは人それぞれです。正規・中古いずれを選ぶにしても、現実的な確率と構造を理解した上で判断することが、後悔しない選択につながります。

ブランドレックス
鑑定士 千藤