ルイヴィトンは「使うほど価値が落ちるブランド」というイメージが強かった時代がありましたが、今は見方がかなり変わっています。理由はシンプルで、定価改定(値上げ)の頻度が高く、人気モデルの定価が数年で“別物”になったからです。結果として、中古市場や買取の成立水準も一緒に押し上げられ、「状態が良い定番モデルは、思ったより下がらない」「モデルによっては上がっている」という現象が起きています。ここでは、いまヴィトンを売るべきか・持つべきかを迷う方に向けて、抽象論ではなく“数字”で判断しやすいように整理します。

ルイヴィトンが「資産として見られる」ようになった理由

 ヴィトンが資産として語られる最大の理由は、定価が上がり続けていることです。たとえば定番中の定番であるネヴァーフルMMは、2019年時点の定価が163,080円だったものが、現在は277,200円です。差額は+114,120円で、率にすると+70.0%です。これだけ短期間に定価が上がると、中古で買う側も「新品が上がっているなら中古も安すぎるのは不自然」と感じやすくなり、一定の水準で成立しやすくなります。つまり、ヴィトンの資産性は“人気だから”だけではなく、定価の押し上げが中古相場の底を支えている構造が大きいです。

数字で見る「定番モデルの価格推移」

 ここからは、代表的な人気モデルを“円+%”で並べます。まずネヴァーフルMMは、2019年163,080円→現在277,200円で+114,120円(+70.0%)です。次にオンザゴーMMは、登場初期の定価が335,500円の時期があり、現在は477,400円です。差額は+141,900円で、+42.3%の上昇です。アルマBB(モノグラム)は、少し前の価格帯が254,000円の時期があり、現在は288,200円です。差額は+34,200円で、+13.5%の上昇です。スピーディ・バンドリエール25(モノグラム)も同様に、254,000円の時期→現在288,200円で+34,200円(+13.5%)となります。こうして数字を並べると、ヴィトンは“全体がじわじわ上がっている”だけでなく、モデルによって上がり方が違い、特にオンザゴーのような近年モデルは上昇幅が大きいことが分かります。

中古・買取が落ちにくいモデルの共通点

 では、同じヴィトンでも「落ちにくいモデル」と「落ちやすいモデル」の差はどこで生まれるのか。基本は次の3つです。1つ目は“定番であること”。ネヴァーフル、スピーディ、アルマのように、買い手が常にいるモデルは、相場が崩れにくい。2つ目は“サイズが需要に合っていること”。MM・25・BBなどの中心サイズは回転が早い傾向があります。3つ目は“状態評価が出やすいこと”。ヴィトンは外装の角スレ、ヌメ革の焼け、持ち手の黒ずみ、内側の汚れで査定がはっきり分かれますが、逆に言えば状態が良い個体は価格が落ちにくい。ここがロレックスと同じで、モデル名だけでなく「条件(状態・付属品)」が成立価格を作ります。

査定額を左右するポイント

・角スレ(四隅の擦れが強いほど減額が出やすい)・ヌメ革の焼け/雨ジミ/ひび割れ(ネヴァーフルやスピーディで差が出やすい)・持ち手の黒ずみ、コバ割れ、クセ(持った瞬間に分かる部分なので評価が直結しやすい)・内側の汚れ、ペン跡、ベタつき(使用感の判定材料になりやすい)・付属品(ポーチ、ストラップ、カデナ、鍵、保存袋など。あるだけでブレが小さくなる)・限定色/人気仕様(人気があるものは落ちにくいが、ニッチ色は相場が割れやすい)

より高く売るためのコツ

 ヴィトンは「売るタイミング」以上に「売り方」で差が出ます。第一に、付属品をできるだけ揃えること。ポーチやストラップ、鍵は“無くても使える”のですが、査定では“揃っているほど成立しやすい”に変わります。第二に、クリーニングはやりすぎないこと。軽い拭き取りは良いのですが、ヌメ革を無理に擦るとムラになり、かえって印象が落ちることがあります。第三に、迷っている場合は“定価が上がった直後の帯”で判断することです。先ほどの数字の通り、ネヴァーフルMMは2019年→現在で+70.0%、オンザゴーMMは登場初期→現在で+42.3%と、定価が底を押し上げています。使っていない、買い替え予定がある、好みが変わった、という方は「いつか上がるかも」と引っ張るより、いまの成立水準で綺麗に現金化する方が、結果的に満足度が高いケースが多いです。一方で、状態が良く、定番モデルで、今後も使うなら“持つ”判断も成立します。大事なのは、最高値の夢ではなく、数字で見た“いまの現実帯”で考えることです。

今回の鑑定士コメント

 ルイヴィトンは、ここ数年で「値上げが中古相場を支える」構造がはっきりしました。ネヴァーフルMMは2019年163,080円→現在277,200円で+114,120円(+70.0%)、オンザゴーMMは登場初期335,500円→現在477,400円で+141,900円(+42.3%)と、数字だけでも“別の価格帯”に移行しています。ですので、売るか持つかで迷う場合は、まずご自身のモデルが定番かどうか、付属品が揃っているか、状態が良いかを冷静に整理し、その上で「今の成立帯で手放すのが得か」「このまま使いながら持つのが納得か」を決めるのが一番後悔が少ないと感じます。無理に煽る必要はありませんが、使っていない定番モデルほど“綺麗なうちに売る”のが最も評価が安定します。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているのかを知りたい方は、直近でお取扱いした買取事例も参考になります。モデルごとの評価のされ方や、査定時に重視されたポイントが分かりやすい内容です。

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まとめ

 ルイヴィトンは「下がらない」ではなく、「定価上昇に支えられて“落ちにくくなった”」と捉えるのが正確です。数字で見ると、ネヴァーフルMMは2019年→現在で+70.0%、オンザゴーMMは登場初期→現在で+42.3%、アルマBBやスピーディB25も+13.5%と、複数の定番が確実に上の帯へ移行しています。売るべきか迷う方は、①使っていない②付属品が揃っている③状態が良い、の3つに当てはまるほど“今の成立帯で整理する”メリットが大きいです。逆に、今後も使う定番モデルで状態も維持できるなら、持ち続ける判断も十分に成立します。大切なのは、過去の印象ではなく、数字で見た現実帯を基準に決めることです。ブランドレックス 鑑定士 千藤