リシャール・ミルは高級時計市場の中でも価格形成が非常に分かりにくいブランドとして知られています。定価と現在価格の単純比較では実態が見えにくく、希少性、素材、機構、そして世界的な需要の厚みが複雑に絡み合って評価が決まります。そのため同じリシャール・ミルでもモデルごとにリセール率には明確な差が生じます。本記事では2026年最新の視点として、販売当時の定価を基準にしつつ、国内価格と海外価格を含めた販売価格レンジ、そこから想定される国内の買取目安までを整理し、相場・価格・評価・判断軸を一続きの流れで解説します。断定的な価格表ではなく、相場変動モデルとしてどう考えるべきかを鑑定士目線でお伝えします。

ランキング算出の前提(数字の見方と注意点)

今回のリセール率ランキングでは、定価はすべて販売当時の定価を使用しています。販売価格については国内と海外を含めることで大きな幅が出るため、単一価格ではなくレンジ表記としています。買取価格はその販売レンジを踏まえた「おおよそ前後」の目安であり、相場変動が大きいモデルであることから、最終的な価格は時期・状態・付属品によって変動する点を前提としています。数字はあくまで判断材料であり、重要なのはその数字が成立する条件を理解することです。

2026 リシャール・ミル リセール率ランキング

1位:RM055 バッバ・ワトソン

型番:RM055/定価(販売当時):12,960,000円/販売価格レンジ(国内・海外含むため幅があります):おおよそ4,800万〜6,600万円前後/買取価格の目安:おおよそ4,000万〜4,500万円前後ですが相場変動モデルのため要確認。RM055はリシャール・ミルの中でも象徴的なモデルで、希少性と需要の両面が非常に強く、販売価格が高水準になりやすい一本です。5年ほど前と比べても市場での評価は明らかに上がっており、条件が整った個体ほど上側レンジで成立しやすい傾向があります。一方で付属品の欠品や外装ダメージがある場合は評価が一気にシビアになるため、相場が高いモデルほど条件確認が重要になります。

2位:RM35-02 ラファエル・ナダル

型番:RM35-02/定価(販売当時):19,580,000円前後/販売価格レンジ(国内・海外含むため幅があります):おおよそ3,900万〜6,100万円前後/買取価格の目安:おおよそ4,000万円前後からですが相場変動モデルのため要確認。RM35-02はスポーツモデルとしての完成度とストーリー性が強く、海外需要の影響を受けやすいモデルです。販売レンジの上側は特に条件が良い個体に集中しやすく、国内買取でも高条件が揃うと一気に評価が伸びます。ただし日常使用による細かな打痕やストラップの消耗、保証書の有無が数百万円単位の差につながるため、価格だけで判断しない姿勢が重要です。

3位:RM011 フェリペ・マッサ

型番:RM011(フェリペ・マッサ)/定価(販売当時):13,932,000円(TI)/販売価格レンジ(国内・海外含むため幅があります):おおよそ2,900万〜5,900万円前後/買取価格の目安:おおよそ1,500万〜4,500万円前後ですが仕様差が大きく要確認。RM011はリシャール・ミルの中でも定番クロノとして常に比較対象に挙がるモデルですが、素材や仕様の違いによって相場が大きく分かれます。同じRM011でも全く別物の相場になるケースがあるため、リセール率を見る際は「どの仕様か」を必ず切り分けて考える必要があります。

ブランド品全体の買取相場がどのように形成されているかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ブランド品の買取相場について

4位:RM010 オートマティック

型番:RM010/定価(販売当時):9,396,000円/販売価格レンジ(国内・海外含むため幅があります):おおよそ1,870万〜2,930万円前後/買取価格の目安:おおよそ1,700万円前後ですが相場変動モデルのため要確認。RM010は初めてのリシャール・ミルとして選ばれやすく、需要が安定しやすいモデルです。販売価格レンジは比較的読みやすい一方で、素材や付属品条件によって評価が分かれます。相場を判断する際は販売価格の上限だけでなく、どの条件でその価格が成立しているかを見ることが重要です。

5位:RM005 オートマティック

型番:RM005/定価(販売当時):4,620,000円/販売価格レンジ(国内・海外含むため幅があります):おおよそ1,600万〜2,100万円前後/買取価格の目安:おおよそ1,200万〜1,500万円前後ですが相場変動モデルのため要確認。RM005は初期の自動巻モデルとして再評価が進んでおり、定価と比べたリセール率は非常に高く見えます。ただし個体差が大きく、メンテナンス履歴や付属品の有無によって成立価格が大きく変わる点には注意が必要です。

査定額を左右するポイント

リシャール・ミルの査定では、相場水準そのものよりも「その価格が成立する条件」が重視されます。保証書や箱、冊子、専用工具の完備状況、保証書記載内容の整合性、ケースやベゼルの打痕や欠け、過度な研磨の有無、ストラップやバックルの消耗、ムーブメントの動作状態などが評価に直結します。条件が整った個体ほど再販性が高く、販売レンジの上側に連動して買取も上振れしやすくなります。

より高く売るための考え方

高額帯モデルほど、売却前に余計なことをしないことが結果につながります。無理な清掃や自己判断での調整は避け、付属品を揃えた状態で相場確認を行うだけで評価は安定します。提示金額だけでなく、その金額がどの条件で成立するのかを丁寧に説明してもらえるかを基準に比較することで、納得感のある売却が可能になります。

今回の鑑定士コメント

リシャール・ミルはランキング上位モデルほど相場は強い一方、条件差が金額差になりやすいブランドです。査定ではまず「その価格が成立する条件」を整理し、現在の状態がどのレンジに位置するのかを確認します。迷っている段階でも現状を把握しておくことで、判断は格段にしやすくなります。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているのかを知りたい方は、直近でお取扱いした買取事例も参考になります。モデルごとの評価のされ方や、査定時に重視されたポイントが分かりやすい内容です。
買取速報はこちら

まとめ

2026年時点のリシャール・ミルは、モデルごとにリセール率の差が非常に大きく、同じブランド内でも評価のされ方が大きく異なります。本記事では定価は販売当時、販売価格は国内・海外を含むレンジ、買取はおおよそ前後の目安として整理しましたが、最終的な成立価格は条件次第です。売却のタイミングによって評価が変わる理由については、下記の記事も参考になります。
ブランド品を売る時期・タイミングについて

ブランドレックス
鑑定士 千藤