ケリーはバーキンと並んで「資産価値」を意識して保有される代表モデルですが、実際の評価は“モデル名だけ”では決まりません。ケリーは特に、サイズ(25・28・ミニ)と縫製(内縫い=レトゥルネ/外縫い=セリエ)、そして素材(トゴ/エプソン等)で定価も相場も大きく変わります。さらに近年は定価改定が継続しており、数年前の感覚で「このくらい」と判断するとズレやすいモデルです。本記事では、ケリーの中でも問い合わせが集中しやすいサイズと定番素材を軸に、過去定価→現在定価、そして中古市場の成立帯の考え方を、数字で分かるように整理します。

ケリーが資産価値を保ちやすい理由

 ケリーの強さは「新品の供給が限られている」点にあります。欲しいサイズ・素材・色を、欲しいタイミングで新品購入できるとは限らないため、中古市場では「確実に手に入ること」自体に価値が付きます。そこに定価改定が重なり、定価が上がるたびに中古相場の底が押し上げられ、条件が揃う個体ほど“定価を基準にした高い帯”で成立しやすくなります。ケリーは価格が下から積み上がるというより、定価が相場の基準線になるモデルです。

サイズ別・定番素材の現在定価

 まず判断の基準になるのが現在の定価です。定番素材のトゴを例にすると、ケリー25(トゴ)は1,859,000円、ケリー28(トゴ)は1,969,000円という水準です。素材がエプソンになると、ケリー28は2,057,000円と定価が上がります。ケリーは同じサイズでも素材と縫製(内縫い・外縫い)で定価が変わるため、まず「サイズ×素材」を固定して見ることが重要です。

2024年→2025年の定価推移(円×%で確認)

 ケリーは直近でも定価改定の影響がはっきり出ています。たとえばケリー25(トゴ)は、2024年の1,716,000円から、2025年に1,859,000円へ上昇しています。差額は+143,000円で、上昇率は約8.3%です。ケリー28(トゴ)も、2024年の1,815,000円から、2025年に1,969,000円へ上昇しており、差額は+154,000円、上昇率は約8.5%です。ケリー28(エプソン)は、2024年の1,892,000円から、2025年に2,057,000円となり、差額は+165,000円、上昇率は約8.7%です。こうして数字で見ると、ケリーは直近1年でも“8〜9%前後”の上昇が発生しており、この定価上昇が中古相場の底を押し上げる要因になります。

中古相場の現実的な成立帯

 中古市場でのケリーは、「定価を基準にどの帯で成立しているか」が重要です。定番サイズ(25・28)で、定番素材(トゴ/エプソン)、定番色(ブラック・ゴールド・エトゥープ等)、状態が良好、付属品が揃っている個体は、定価に近い帯で成立しやすくなります。一方で、使用感が強い個体、型崩れがある個体、色の好みが分かれる個体、付属品欠品がある個体は、定価を下回る帯に収束します。ケリーは「必ず定価以上」というモデルではありませんが、条件が揃うほど“定価を基準にした高い帯”を作りやすいのが現実です。

査定額を左右するポイント

・サイズ(25と28は需要が厚く評価が安定しやすい)・縫製(外縫い=セリエはフォーマル、内縫い=レトゥルネは柔らかい印象。好みと相場帯が分かれます)・素材(トゴは扱いやすく評価が安定、エプソンは型崩れしにくい一方で好みが分かれる場合もあります)・色(ブラック/ゴールド/エトゥープ等は特に安定)・金具(ゴールド金具は需要が強く、シルバー金具は好みで分かれる)・状態(角スレ、型崩れ、ハンドルのクセ、コバ割れ、内側の汚れ)・付属品(箱、保存袋、ストラップ、カデナ、クロシェット、鍵類)

より高く売るための考え方

 ケリーで後悔が少ないのは、最高値を追うのではなく「今の定価と成立帯を基準にする」考え方です。直近でも定価が8〜9%前後上がっているため、相場の底は“じわじわ上がる”構造があります。だからこそ、使っていない、好みが変わった、整理したいという場合は、状態が良いうちに判断する方が結果的に納得感が出やすいです。逆に、使用感が進むと評価が落ちやすいポイント(角スレ・型崩れ・ハンドル・内側汚れ)が増えるため、定価上昇の恩恵を受けにくくなります。特にストラップや鍵類の欠品は“成立帯そのもの”が下がりやすいので、売却前に必ず確認することが重要です。

今回の鑑定士コメント

 ケリーは、数字で見ると判断がしやすいモデルです。ケリー25(トゴ)は2024年1,716,000円→2025年1,859,000円(+143,000円/約8.3%)、ケリー28(トゴ)は1,815,000円→1,969,000円(+154,000円/約8.5%)と、直近1年でもしっかり定価が上がっています。定価が上がれば中古相場も底が押し上げられるため、条件が揃った個体ほど評価が安定します。一方で、ケリーは条件差が査定差に直結するモデルでもあります。売却を迷う場合は、まずサイズ・素材・色・付属品を整理し、今の定価を基準に成立帯で判断するのが最も後悔が少ないです。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているのかを知りたい方は、直近でお取扱いした買取事例も参考になります。モデルごとの評価のされ方や、査定時に重視されたポイントが分かりやすい内容です。

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まとめ

 ケリーは、供給制限と定価上昇によって価格構造が支えられているバッグです。ケリー25(トゴ)は直近でも約8.3%、ケリー28(トゴ)は約8.5%、ケリー28(エプソン)は約8.7%と、定価が継続的に上がっています。この定価上昇が中古相場の底を押し上げ、条件が揃う個体ほど高い帯で成立しやすくなります。売るか持つかを判断する際は、モデル名だけでなく、サイズ・素材・色・状態・付属品を整理し、今の定価と成立帯を基準に考えることが重要です。ブランドレックス 鑑定士 千藤