ロレックスはいつ売るのが正解?現場で見る“売り時の共通点”を鑑定士が解説

「ロレックスはいつ売るのが正解ですか?」というご相談は、査定の現場で最も多いテーマのひとつです。結論から申し上げると、“この日が絶対”という意味での正解はありません。ただ、実際の査定では「高く売れているタイミングには共通点」があります。それは①相場が上がりやすい外部要因(為替・定価・需給)と、②個体の内部要因(状態・付属品・モデル人気)が同時に噛み合った瞬間です。この記事では、単なる一般論ではなく、現場でよく起きるパターンを軸に「売り時の見極め方」「売る・持つ・様子見の判断軸」「高く売るための準備」を具体的に整理します。

前提:ロレックス相場は“外部要因”で動き、個体条件で最終金額が決まります

ロレックスは人気ブランドですが、相場は人気だけで決まりません。為替、メーカーの定価改定、新作発表、世界的な需要バランスなど、外部要因で水準が動きます。そして最終的な査定額は、同じ相場水準の中でも「その個体がどれだけ評価される条件を満たしているか」で決まります。実際の査定では、同じモデルでも付属品の有無や研磨歴、ブレス伸び、ダイヤルや針の状態で数万円〜数十万円単位の差が出ることがあります。つまり“相場の波”を見つつ、“個体の完成度”を整えることが、売り時を正解に近づける最短ルートです。

売り時の共通点①:円安の追い風が吹いているとき

円安局面は、ロレックス売却において追い風になりやすい代表例です。ロレックスは海外ブランドのため、円安が進むと国内の新品価格が上がりやすく、その影響が中古相場にも波及します。また、海外バイヤーから見て日本の在庫が相対的に“買いやすい”水準に映ると、輸出需要が強まり、買取店側の仕入れ姿勢も積極的になりがちです。査定現場の感覚としては、円安が明確に進行している時期は「売却相談の件数が増える」だけでなく「同じ条件でも提示できる水準が強くなる」局面が確かにあります。為替そのものを完璧に読むのは難しいですが、少なくとも“円安トレンドが続いているか”“急な揺り戻しが出ていないか”を確認するだけでも、判断の精度は上がります。

売り時の共通点②:定価改定(値上げ)の直後〜追随期

メーカーの定価改定、とくに値上げ直後は、中古相場が底上げされやすいタイミングです。新品が上がると中古の割安感が強まり、買い手が動きます。ここで重要なのは「値上げ直後がピーク」と決めつけないことです。実際の査定では、値上げニュースの直後に一度問い合わせが増え、その後数週間〜数ヶ月かけて中古相場がじわじわ追随してくるパターンもあります。つまり“ニュースが出たら即売り”より、「市場が追随してきたか」を見てから動く方が納得できることもあります。モデルによって追随スピードが違うため、スポーツ系は早め、その他は遅めに動くケースがある、というのが現場の実感です。

売り時の共通点③:新作発表・廃盤・仕様変更で“需給が歪む”瞬間

春先の新作発表や、廃盤・仕様変更の発表は、相場が動くきっかけになります。廃盤になったモデルは「もう作られない」という一点で注目が集まり、短期的に相場が跳ねることがあります。ただし、ここは誤解が多いポイントで、“廃盤=必ず高騰”ではありません。もともと需要が強いモデルは上がりやすい一方で、需要の裾野が狭いモデルは動きが限定的な場合があります。実際の査定では「廃盤と聞いて持ち込まれたが、相場が思ったほど動いていない」こともあります。廃盤ニュースは売却検討の材料にはなりますが、最終判断は「そのモデルが今、実際に回転しているか(動いているか)」に寄せるのが安全です。

売り時の共通点④:需要期(ボーナス・新生活・節目のギフト需要)に在庫確保が起きるとき

季節要因も、売り時の共通点として無視できません。ボーナス期(6月・12月)や、新生活・昇進・異動が重なる3月前後は、買い手の動きが活発になりやすく、買取店側も在庫を確保したい局面になります。現場で多いのは「買い替え資金のためにボーナス前に売る」「節目のタイミングで時計を手放す」という動きで、この時期は“売りやすい空気”が出ることがあります。もちろんモデルや状態により差はありますが、相場が横ばいのときでも需要期は査定が強く出やすい、というのは実務上の傾向です。

売り時の共通点⑤:個体の状態がピークに近い“今”であること

ここが最重要です。相場が良くても、個体の状態が落ちていると査定は伸びません。逆に相場が派手に上がっていなくても、状態が良く付属品が揃っている個体は高水準になりやすい。現場で多いのは「相場を待っている間に、傷やブレス伸びが進んでしまった」「保証書やコマを紛失してしまった」というケースです。一次体験として正直にお話しすると、以前“見た目が綺麗”という先入観で高評価に寄せそうになった個体がありましたが、光の当て方を変えると過去の研磨でケースエッジが甘くなっているのが分かり、評価を見直したことがあります。艶がある=価値が高い、ではない。以降私は、見た目の綺麗さより先に「角の立ち」「面の反射」「ブレスの伸び」「バックルの摩耗」を必ず確認する癖がつきました。こうした細部が、売り時の成果を左右します。

高く売れる個体の“準備チェックリスト”

売り時を正解に近づけるために、準備はシンプルです。保証書(ギャランティカード)、箱(外・内)、余りコマ、冊子類、タグ類が揃っているか。次に外装状態(目立つ打痕、深い線傷、ガラス欠け、ブレス伸び)を把握する。さらに過度な研磨を繰り返していないか、修理歴がある場合は内容を説明できるか。ここが整っていると、相場の波が来たときに伸びやすくなります。実際の査定では「付属品が揃っているだけで説明コストが下がり、評価が安定する」ことがよくあります。

なお、同ブランド全体のリセール傾向や、どのモデルが評価されやすいかについては、別記事で詳しくまとめています。
リセール率ランキングはこちら

結局どうすればいいか:売る・持つ・様子見の判断軸

売る判断が向く人:使わない/買い替え予定/状態が良いうちに整理したい

売る判断が最も合理的になるのは、「使用予定が薄い」「買い替え資金にしたい」「状態が良いうちに整理したい」というケースです。相場のピークを当てに行くより、条件が揃っている“今”に売る方が結果として納得感が出やすいことがあります。実際の査定では、スポーツモデルの人気が強い局面や、円安・値上げの追い風がある局面では、同じモデルでも提示水準が一段上がりやすいので、迷っているなら“相場が強いときに動く”のが安全です。

持つ判断が向く人:気に入って使う/資産として保有したい/状態維持ができる

持つ判断が向くのは、満足して使っている方です。ロレックスは“使っても価値が残りやすい”のが強みですが、それでも価値を落としやすい要因(付属品紛失、過研磨、雑な修理)は避けたいところです。保管を整え、必要なメンテナンスを適切に行い、説明できる状態を維持する。これだけで将来の売却の納得感は大きく変わります。

様子見が向く人:売却理由が弱い/相場が不安定/個体条件が整っていない

様子見が向くのは「なんとなく高そうだから」だけで動きそうなときです。相場は波があり、急いで動いても満足できないケースがあります。また、付属品が見当たらない、状態に不安がある場合は、先に条件を整えてから判断した方が結果が良いことも多いです。現場で多いのは、急いで売った後に「箱とコマが出てきた」というパターンです。こうした後悔を避けるためにも、“整えてから動く”は大切な考え方です。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているかを知りたい方はこちらを拝見下さい。→買取速報はこちら

まとめ:売り時の正解は「相場の追い風 × 個体の完成度」が重なる交差点です

ロレックスの売り時に、万人共通の一日だけの正解はありません。ただし、現場で高く売れている方には共通点があります。円安、値上げ、新作・廃盤、需要期といった追い風があり、なおかつ付属品と状態が整っている。この交差点に乗れたとき、査定は高水準になりやすい。逆に「もっと上がるかも」と待ち続けることで、状態劣化や付属品紛失というリスクが積み上がることもあります。迷われる場合は、まず“いまの個体条件”を客観的に把握し、次に“市場の波”を確認する。この順番で判断すると、納得感のある売却につながりやすいです。

ブランドレックス
鑑定士 千藤