ヴァシュロン・コンスタンタンは、高級時計市場において「格は高いが資産価値の判断が難しいブランド」として長く認識されてきました。世界三大時計の一角でありながら、定価と現在価格の単純比較では評価の実態が見えにくく、モデルごとの需給や市場背景を踏まえた見方が必要になります。ただ近年は市場環境の変化により、特定モデルを中心に評価が明確に変わり始めています。本記事では2026年最新の視点として、販売当時の定価を基準に、国内市場と海外市場を含めた販売価格レンジ、そこから想定される国内の買取目安を整理し、ヴァシュロン・コンスタンタンの資産価値・リセール率・相場の考え方を一続きで解説します。価格を断定するのではなく、「どの条件でその水準が成立しているのか」を判断軸としてお伝えします。

資産価値を考える際の前提(数字の見方)

ヴァシュロン・コンスタンタンの相場を見るうえで最も重要なのは、ブランド全体で一括りにしないことです。定価はすべて販売当時の正規定価を基準とし、販売価格は国内中古市場と海外市場(欧米中心)を含めることでレンジ表記としています。買取価格はその販売レンジを踏まえた「おおよそ前後」の目安であり、相場変動が起きやすいモデルについては時期や条件による差が出る前提で整理しています。数字は結論ではなく、判断材料として扱うことが重要です。

資産価値を支えている主要モデル

オーヴァーシーズ(4500V/4520V系)

オーヴァーシーズは、現在のヴァシュロン・コンスタンタンの評価を支える中核モデルです。販売当時の定価はおおよそ350万円前後から400万円弱の水準で、現在の販売価格は国内・海外を含めると概ね450万〜600万円前後のレンジで推移しています。国内の買取目安はおおよそ380万〜500万円前後ですが、保証書や付属品の完備状況、ダイヤル仕様、ブレスの状態によって上下します。数年前と比べると評価は明らかに上がっていますが、流通量の増減によって相場が落ち着く局面もあるため、過度な高値期待には注意が必要です。

オーヴァーシーズ クロノグラフ

クロノグラフモデルは、販売当時の定価がおおよそ500万円前後で、現在の販売価格レンジは約650万〜850万円前後と幅があります。国内の買取価格目安はおおよそ550万〜700万円前後ですが、こちらは海外需要の影響を強く受ける相場変動モデルとして捉える必要があります。為替や市場環境によって短期間で評価が動くこともあり、売却タイミングの見極めが重要になります。

パトリモニー/フィフティーシックス

パトリモニーやフィフティーシックスといったドレスラインは、オーヴァーシーズほどの価格上昇は見られませんが、相場が比較的安定している点が特徴です。販売価格は定価前後からやや下振れする水準で推移するケースが多く、買取目安はおおよそ定価の50〜70%前後となることが一般的です。リセール率を狙うモデルではありませんが、価格の下落幅が限定的で、安定志向の評価と言えます。

ブランド品全体の買取相場がどのように形成されているかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ブランド品の買取相場について

ヴァシュロンの評価が変化した背景

近年のヴァシュロン・コンスタンタンの相場変化は、ブランド単体というより市場全体の構造変化による影響が大きいと考えられます。ロレックスやパテックフィリップの価格上昇が続いた結果、次の選択肢としてヴァシュロンに注目が集まり、特にオーヴァーシーズの需要が拡大しました。ただし、すべてのモデルが同じように評価されているわけではなく、モデル選別の重要性は以前よりも高まっています。

査定額を左右するポイント

ヴァシュロン・コンスタンタンの査定では、相場水準以上に再販性が重視されます。保証書や箱、冊子、ブレス調整パーツの有無、保証書記載内容の整合性、ケースやベゼルの打痕や線傷、過度な研磨の有無、ブレスレットの伸び、ムーブメントの動作状態などが評価に直結します。条件が整った個体ほど販売レンジの上側に連動し、買取価格も安定しやすくなります。

資産価値を踏まえた売却判断

ヴァシュロン・コンスタンタンは短期的な値上がりを狙うブランドではなく、条件とタイミングを見極めて判断するブランドです。売却前に無理な清掃や自己判断での調整を行わず、付属品を揃えた状態で相場確認を行うだけでも評価は安定します。提示金額だけでなく、その金額がどの条件で成立しているのかを丁寧に説明してもらえるかを基準に比較することが、納得感のある判断につながります。

まとめ

2026年時点のヴァシュロン・コンスタンタンは、モデルによって資産価値とリセール率の評価が大きく分かれるブランドです。本記事では定価は販売当時、販売価格は国内・海外を含むレンジ、買取はおおよそ前後の目安として整理しましたが、最終的な成立価格は条件次第です。売却のタイミングによって評価が変わる理由については、下記の記事も参考になります。
ブランド品を売る時期・タイミングについて

ブランドレックス
鑑定士 千藤