カルティエの時計は、長らく「デザイン重視」「資産性はロレックスほどではない」と見られてきました。しかしここ数年で状況は大きく変わっています。理由は明確で、定価の上昇幅が想像以上に大きく、かつ定番モデルの需要が落ちていないからです。特にタンク、バロンブルー、サントスといった主力モデルは、過去の感覚で相場を見てしまうと現在の評価と大きなズレが生じます。本記事では、カルティエ時計全体を俯瞰しながら、過去定価→現在定価→中古成立価格の関係を数字(円×%)で整理し、「今売るべきか、持つべきか」の判断軸を明確にします。

カルティエ時計の立ち位置が変わった理由

 カルティエは宝飾ブランドの印象が強い一方で、時計分野でも長い歴史を持っています。近年の特徴は、ほぼ全モデルで継続的な価格改定が行われている点です。かつては定価が比較的抑えられていたため、中古価格も伸びにくい傾向がありましたが、現在は「新品価格そのもの」が大きく引き上げられたことで、中古相場の基準線が一段上に移行しています。これにより、条件が良い個体は“値崩れしにくい時計”として再評価されています。

定価推移を全体像で整理する(代表モデルベース)

 カルティエ時計の代表格であるタンク、バロンブルー、サントスは、いずれも過去に定価が約400,000円前後〜約600,000円前後だった時期がありました。そこから段階的な価格改定を経て、現在では多くのモデルが約700,000円前後〜約1,000,000円超の価格帯に移行しています。仮に過去定価約500,000円前後だったモデルが現在約900,000円前後になっている場合、差額は約+400,000円、上昇率は約80%前後です。この“前提価格帯の変化”が、中古市場の評価を押し上げている最大の要因です。

中古相場の特徴|カルティエは「条件が揃うと強い」

 カルティエ時計の中古相場は、ロレックスのように一律で高値が付く構造ではありません。その代わり、モデル・サイズ・素材・文字盤・状態が揃うと、想像以上に評価が安定します。特にステンレス素材の定番モデル、需要が集中するサイズ、クセの少ない文字盤を備えた個体は、定価上昇の影響を素直に受けやすく、中古でも高水準で成立しやすい傾向があります。一方で、金無垢や小ぶりすぎるサイズ、個性の強い文字盤は、評価が分かれやすく帯が割れます。

査定額を左右するポイント

・モデル(タンク/バロンブルー/サントスなど定番かどうか)
・素材(ステンレスは安定、ゴールド系は評価が分かれる)
・サイズ(需要が集中するミドルサイズは評価が安定)
・文字盤(シンプルな定番デザインが有利)
・状態(ケース傷、ベゼル傷、ガラス欠け、ブレス伸び)
・付属品(箱、保証書、余りコマ)

今売るべきか、持つべきかの判断軸

 カルティエ時計は「持っていれば必ず上がる」というタイプではありませんが、定価が約60〜80%前後上がった現在、相場の底は明確に切り上がっています。そのため、状態が良く、定番条件に当てはまる個体であれば、今売却しても十分に納得感が出やすい水準です。一方で、使用感が進みそうな個体や、好みが変わって出番が減っている場合は、状態が崩れる前に判断する方が結果的に有利になるケースが多く見られます。

今回の鑑定士コメント

 カルティエ時計は、以前の「資産性が弱い」という評価から明確に脱却しつつあります。過去定価約500,000円前後だったモデルが現在約900,000円前後へ移行しているケースも多く、上昇率は約80%前後です。評価は一律ではありませんが、定番モデル・定番サイズ・良好な状態が揃えば、中古市場でも価格が安定します。売却判断は、“昔いくらだったか”ではなく、“今の定価を基準にした成立帯”で考えることが重要です。

なお、実際の買取価格がどの水準で成立しているのかを知りたい方は、直近でお取扱いした買取事例も参考になります。モデルごとの評価のされ方や、査定時に重視されたポイントが分かりやすい内容です。

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まとめ

 カルティエ時計は、定価改定によって前提価格帯が大きく変わり、条件が揃えば資産性を意識できるブランドになっています。過去約500,000円前後だった定価が現在約900,000円前後へ移行し、上昇率は約80%前後。売るか持つかを迷う場合は、モデル・サイズ・素材・状態を整理し、現在の成立帯で冷静に判断することが最も後悔の少ない選択につながります。ブランドレックス 鑑定士 千藤