日本経済における最近のトピックとして、円安が注目されています。
現在日本円は1ドル/158円まで上がっており、160円を示す場面もありました。
通貨の価値変動は多岐にわたる業界に直接的な影響を及ぼします。

そのひとつが時計市場です。

このコラムでは、円安が時計市場に与える影響について簡潔に解説します。

輸入時計の価格上昇

円安は、輸入商品に対するコスト増を意味します。
時計市場においては、特に高級ブランドが数多くあるスイス製時計などが影響を受けます

円が安くなると、同じ金額のスイスフランやユーロで購入できる時計の数が減少する
ため、これらの時計の日本国内での小売価格は上昇傾向になります。

1年の間に複数回定価変動が起きる事も考えられます。
昨年ではスイスブランドであるロレックスが日本定価の改正を2回(上昇)行っています。

日本消費者は高価な輸入時計を購入するために、より多くの円を支払います。

国産時計の競争力向上

一方で、円安は国産時計ブランドにとっては追い風となることもあります。
国際市場において、日本製時計は相対的に安価になり、外国の消費者にとって魅力的な選択肢となります。

グランドセイコーやシチズンなどの日本の時計メーカーは輸出を増やすことができ、
国際市場でのシェアを拡大する可能性があります。

日本時計ブランドの中でもグランドセイコーは数年前から徐々に海外で人気が出てお
り、円安の影響によって需要が増えて相場も上がっています。

観光客による購買力の変動

この状況は外国人観光客の購買力を高める要因となります。
日本を訪れる観光客は、円安の恩恵を受けて以前より多くの商品を購入することができます。

特に、高級時計は訪日外国人に人気のある購入品のひとつです。
免税できる物も多いのでより購入に拍車がかかります。

結果、国内の時計販売店は観光客を対象としたマーケティングが強化されるので、日本人向けの商材が減ります。

消費者行動の変化

消費者の購入行動にも変化をもたらします。
価格上昇に直面した消費者は、購入の決断をより慎重に行うようになります。
新品ではなく中古品へと目を向けるユーザーも増えます。
現在中古品でも状態が良い物が多く出回っているので、定価で買うなら、安い中古で購入する方も多いです。
しかし、定価よりも高い金額で取引されてるモデルもあるので、
こうした動きは新品市場だけでなく、中古やリサイクル市場にも影響します。

まとめ

円安は時計市場に複雑な影響を及ぼします。
輸入時計の価格上昇、国産時計の競争力向上、観光客の購買力変動、価格戦略の見直しといった動きは消費者だけでなく、メーカーや小売店にも影響を与えます。

円安が進めば時計相場は上がると言われることもありますが、
行き過ぎた場合は逆に購入者の財布が閉まる事となり相場が動きにくい結果になります。

現在の円安は約38年ぶりと言われています。
今後の為替変動にも注目していきましょう。

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