パテックフィリップのノーチラスは、時計コレクターや著名人の間で高い人気を誇る伝説的な時計です。
しかし、入手が困難な時計の代名詞でもあり、何かと話題を生むコレクションです。
このコラムでは、ノーチラスの入手困難さの理由、相場の推移、そして高価格と低価格の要因について考察します。

1.ノーチラスが入手困難な理由

ノーチラスの入手が困難な理由は主に3つあります。

1.価格

パテックフィリップの時計は最低でも定価が300万円を超えます
ノーチラスも同様で、現在最も低価格なモデルでも約480万円します。
この価格帯が購入できるユーザーを振り分けており、関門の1つとなっています。

2.生産本数

次に生産本数の少なさです。
パテックフィリップは全モデル通しても年間生産本数は約6万本です。
現在パテックのモデル数は151種類あり、世界各国の正規店やブティックは約300店舗です。
計算すると1つの店舗に年間でひとつのモデルが1~2本しか入荷しない事になります。
単純な計算ではこうなりますが、実際は年間通して入荷しないモデルも存在し、その例としてノーチラスがあげられます。
これにより需要と供給のバランスが完全に崩れている状況です。

3.異常な希少価値

先の2つが原因となり、中古市場にも多く出回らず異常な希少価値が付いています。
定価に対して3倍以上の価格で取引されている物が多く、購入できるユーザーが余計に少なくない状態です。
パテックフィリップジャパンもこの状況には頭を抱えており、様々な対策を取っています。
そのひとつとして正規店で購入した場合、その店舗で2年間保証書を保管するという取り組みがあります。
これにより購入してすぐの完品転売を防ぐようにしています。

2.相場の推移

相場は時間の経過とともに変動しますが、ノーチラスの相場は一般的に上昇傾向にあります。
非常に人気のあるコレクターズアイテムであり、需要が高いことに起因しています。
また、年々定価が上がっていることも相場上昇の要因です。
しかし、昨年の2月~12月あたりではコロナやウクライナ戦争による景気不調やノーチラスの市場価格が急激に高額になった影響でユーザーが離れ、一気に相場が落ち込みました。
現在は少しずつ回復してきています。

3.高価格と低価格の要因

高価格の要因は2点です。

1.異常な希少性で需要と供給のバランスが崩れてしまっている。
2.高品質な材料や制作にかかわる職人の人件費が年々高騰している為に定価が上昇している事。

低価格の要因
ノーチラスが低価格になる事は現状考えられませんが、もしなる要因があるとすれば以下の3点があげられます。

1.大量生産されて需要に対して供給が追いつくようになる。
2.材料や加工方法においてコストを削減して定価を抑える事による低価格化
3.エンドユーザーの需要が少なくなり市場価格が下落する。

高価格になる事は今後もあり得ますが、大きな経済不況が起きない限り難しいでしょう。

まとめ

ノーチラスは、その独特なデザインと高い品質により時計界の至宝とされています
入手困難さや相場の高騰はこの魅力的な時計の一部として受け入れられるところもあります。
しかし、パテックフィリップ自体が今の現状を良しとしていないので、今後
の対策によっては大きな相場変動が起きる可能性もあります。
ノーチラスの相場は今後も注意してチェックしていかなくてはなりません。。

鑑定歴10年の岡田です。査定についてのご相談はお任せください。
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