「ロレックスをできるだけ安く手に入れたい」というニーズは、近年ますます強くなっています。かつてはロレックス=高級時計の象徴という認識が強く、価格帯を比較する発想自体が少数派でした。しかし現在は、モデルごとの定価差、中古市場の成熟、そして文字盤による評価差が明確になったことで、「どのロレックスが一番安いのか」「安さ重視で選ぶなら何に注意すべきか」という具体的な判断軸が求められています。本記事では、現行ロレックスを“価格が安い順”に整理しつつ、定価と中古販売価格の関係、さらに文字盤ごとにどのような価格差が生じているのかを、鑑定士の視点で具体的に解説します。

ロレックスは「定価が安い=最も安く買える」とは限らない

まず前提として理解しておくべきなのは、ロレックスでは「定価が最も安いモデル」と「実際に市場で最も安く買えるモデル」が一致しないケースが多いという点です。その理由は、中古市場における需要の偏り、特にサイズや文字盤カラーによる評価差が大きく影響するためです。定価だけを基準に選んでしまうと、中古では割高になっているモデルを選んでしまうこともあり、結果的に“安さ重視”という目的から外れてしまうことがあります。

① オイスター パーペチュアル 28|定価最安だが中古では評価が割れるモデル

オイスター パーペチュアル28(Ref.276200)は、定価約855,800円と、現行ロレックスの中で最も価格が低いモデルです。主な需要は女性層で、日常使いしやすいサイズ感とシンプルなデザインが支持されています。中古販売価格は75万〜95万円前後と幅があり、この価格差の最大要因が文字盤です。シルバーやブラックは安定した評価で、定価前後からやや下で推移するケースも見られます。一方、ピンクやブルーは需要がやや高く、中古では数万円上振れしやすい傾向があります。特に旧色のターコイズ系は完全に別枠扱いとなり、最安モデルという位置付けから外れるほど高騰しています。サイズが小さいため投機性は低いものの、回転は安定しており、価格が極端に崩れにくい点が特徴です。

② オイスター パーペチュアル 31|価格と需要のバランスが取れたゾーン

オイスター パーペチュアル31(Ref.277200)は、定価約874,500円で、28mmに次いで価格が低いモデルです。中古販売価格は78万〜100万円前後と、こちらも文字盤による差がはっきり出ます。ブラックやシルバーは標準的な評価で、比較的価格が抑えられますが、ピンクやブルーは+数万円になることが多く、グリーン系は相場が上振れしやすい傾向があります。28mmよりも着用層が広く、価格と需要のバランスが取りやすいモデルといえます。

③ オイスター パーペチュアル 34|“最安ロレックス候補”として実需が強い

オイスター パーペチュアル34(Ref.124200)は、定価約886,600円、中古販売価格80万〜105万円前後で推移しています。ユニセックスサイズとして需要が高く、「最安ロレックス」というキーワードで検索されることも多いモデルです。ブラックやシルバーは最安帯で流通しやすく、ブルーはやや人気、グリーンは中古市場で評価が伸びやすい傾向があります。サイズ・価格・需要のバランスが良く、価格重視で選ぶ場合の有力候補となります。

④ オイスター パーペチュアル 36|文字盤差が顕著に出る境界ライン

オイスター パーペチュアル36(Ref.126000)は、定価約913,000円、中古販売価格85万〜115万円前後です。ブラックやシルバーは基準価格となりますが、ブルーやグリーンは+5〜15万円程度上振れします。旧ターコイズ文字盤は完全に別相場となり、価格重視の選択肢からは外れる存在です。同じ型番でありながら、文字盤次第で“安いモデル”にも“割高モデル”にもなる点が、このサイズの特徴です。

⑤ オイスター パーペチュアル 41|価格差のほぼすべてが文字盤要因

オイスター パーペチュアル41(Ref.124300)は、定価約954,800円、中古販売価格90万〜130万円前後と幅があります。ブラックは最安帯、ブルーやグリーンは人気が高く、ターコイズは中古でも突出した価格となり、ランキング外扱いが妥当です。このモデルでは、価格差のほぼすべてが文字盤によって決まると言っても過言ではなく、同型番でも別モデル並みに相場が割れます。

⑥ エクスプローラー I|中古では“逆転現象”が起きやすい

エクスプローラー I(Ref.124270)は、定価約1,012,000円ですが、中古販売価格は95万〜125万円前後で推移します。文字盤はブラックのみで評価差がなく、相場が読みやすい点が特徴です。スポーツモデルの中では最安クラスで、中古では定価割れから定価近辺で安定するケースも多く、価格重視でロレックスを選ぶ際に非常に合理的な選択肢となります。

⑦ エアキング|好みは分かれるが価格重視層の受け皿

エアキング(Ref.126900)は、定価約1,029,600円、中古販売価格90万〜120万円前後です。文字盤はブラックのみで、デザインの好みによって評価が割れますが、中古では価格重視層の受け皿となりやすいモデルです。派手さはありませんが、価格を抑えてロレックスを所有したい層には現実的な選択肢といえます。

⑧ デイトジャスト 31|価格差が最も出やすいモデル

デイトジャスト31(Ref.278240)は、定価約1,073,600円、中古販売価格95万〜140万円前後です。ブラックやシルバーは下限、ブルーやピンクは中間、フローラルや人気色は上限寄りと、素材・文字盤による価格差が最も大きく出ます。同じ31mmでも“別物”として扱われる点には注意が必要です。

価格重視で選んで失敗する人の共通点

安さだけを基準に選び、文字盤やサイズを考慮しないケースでは、「思ったより高く買ってしまった」「売るときに評価が伸びなかった」という結果になりやすくなります。価格重視で選ぶほど、定価・中古・文字盤の関係を冷静に整理することが重要です。

まとめ

ロレックスを価格が安い順で見ると、定価ベースではオイスター パーペチュアル28が最安であることは間違いありません。しかし中古市場まで含めて考えると、文字盤やサイズによって順位は簡単に入れ替わります。安さを重視するのであれば、定価だけでなく中古販売価格、さらに将来の評価まで含めて判断することが重要です。その視点を持つことで、価格面でも納得感のあるロレックス選びが可能になります。ブランドレックス 鑑定士 千藤