現在高級時計は単に時刻を知るためだけの存在ではなくなりました
そこにはファッション性や、地位を象徴する為のアイテムとしてだけでなく、世界の為替レートの変動とも密接に関連した投資や資産としても見られるています。

今回のコラムではこの関係を解説し、消費者が知るべきポイントをお伝えいたします。

高級時計と為替レート

大手高級時計ブランドはスイスに本社を構えている所が多いです。
そのため、定価は主にスイスフランベースで設定されています。
したがって、スイスフランが他の通貨に対して強くなると、外国での時計価格は上昇します。
ブランドによっては為替に応じて他国の定価を1週間に一度変更する所もあります。
定価はその製品の価値を決める大事な要素であり、高額品は少しの変化で変動も大きくなります。

購入や売却のタイミングを決めるのに重要なポイントになります。

通貨強弱と輸出

為替が変動すると、時計メーカーの輸出戦略にも影響を及ぼします。
例えば、本社がある国の通貨が弱い時は、他の通貨を使う地域の消費者にとってより手頃になり、輸出が活発になります。
逆に、通貨が強いとその地域の製品が高価になり、輸出は鈍化する可能性があります。
鈍化すると他国に品物が回らなくなるので希少価値が上がり時計相場が高くなる事もあります

投資としての時計

現在腕時計は投資や資産として見ているユーザーも多いです。
為替レートの変動はその価値に大きく影響します。
特定の時計が希少性や人気によって価値を増す一方で、為替レートの変動によって収益性を左右する可能性があります。

売却を検討していても利益がでないのであれば保留にする方も多く、タイミングを間違えると購入時より低くなってしまうリスクがあります。

消費者の選択

為替変動は旅行者が時計を購入する場所にも影響を及ぼします。
例えば日本円が強い時、消費者は海外で高級時計を購入するようになります。
逆の場合は日本で購入する消費者が増えるので、日本相場の動きが激しくなります。
また、通貨の強弱は免税店や免税価格の魅力にも影響を与えます。

まとめ

時計市場は現在グローバル経済の微妙なバランスを映し出す鏡のような存在になっています。
今回は為替をベースに話をしましたが、それ以外にも戦争の勃発や金相場の変動、
アメリカの大統領選挙なども市場に影響を与えます。
購入、売却のタイミングを見極めたい方は、世界情勢にも目を向けて判断すると良いでしょう。
自分で判断するのが難しいという方は、私共のようなプロに相談するのも大事な手段です。

鑑定歴10年の岡田です。査定についてのご相談はお任せください。
皆様からのご連絡お待ちしております。